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在留資格「特定活動(告示46号)」とは?要件や申請方法、注意点について詳しく解説

公開日: 最終更新日: PV:510
特定活動-在留資格

みなさんこんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。

技能実習や特定技能、技術・人文知識・国際業務など外国人が就労できる在留資格には様々なものが存在します。しかし、特定活動(告示46号)については、意外と知られていません。

特定活動(告示46号)とは、日本の大学を卒業した留学生が、日本で円滑に就職できることを支援する目的で与えられる在留資格です。

今回の記事では、特定活動(告示46号)について、業務内容や条件、注意点などを詳しく解説します。

「特定活動(告示46号)」とは?

特定活動-在留資格

在留資格「特定活動(告示46号)」は、日本語を使って円滑な意思疎通を要する業務を含む、幅広い業務に従事すること希望する外国人留学生のための在留資格です。外国人留学生の就職支援を目的として特定活動が認められています。

大学や短大で修得した学修の成果や、留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用して幅広い業務に従事することができます。

「特定活動(告示46号)」によって、特に企業や団体が外国人を日本で受け入れ、一定の業務につくことを目的として使用されることが一般的です。また、この資格を活用することで、留学生が短期的な滞在から、就業目的での長期滞在へとスムーズに移行できる可能性もあります。

特定活動(告示46号)の要件

基本的な要件

特定活動(告示46号)の在留資格を取得するためには、以下の基本的な要件を満たす必要があります。

  • 日本国内での活動が合法であり、その活動が「告示46号」に該当すること
  • 日本における受け入れ先(企業や団体)との雇用契約が必要
  • 求められる資格や能力を有すること

対象となる活動内容

この在留資格は、具体的には以下のような活動に対して付与されます。

  • 日本の企業や団体における業務(技術者、専門職など)
  • 学術的または研究目的での活動
  • 特定の条件下での就業(例:外国人観光客向けの接客業務)

特定活動(告示46号)について、より詳しく要件を見ていきましょう。

①待遇面の要件

日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

②学歴要件

日本の大学等卒業者

③日本語要件

  • 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方

または、

  • 大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方

※外国の大学・大学院において日本語を専攻した場合でも、上記満たすものとして取り扱いますが、この場合であっても、日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上の要件を満たす必要があります。

さらに、日本の大学を卒業後に一度帰国した方や、他の就労資格で活動していた方も対象となります。

要件や日本の大学の定義については、出入国在留管理庁より下記の通りで定めらています。

一 次のいずれかに該当していること。

イ 本邦の大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業して学位を授与されたこと。

ロ 本邦の大学院の課程を修了して学位を授与されたこと。

ハ 本邦の短期大学(専門職大学の前期課程を含む。)又は高等専門学校を卒業した者(専門職大学の前期課程にあっては、修了した者)で、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)第三十一条第一項の規定による単位等大学における一定の単位の修得又は短期大学若しくは高等専門学校に置かれる専攻科のうち独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が定める要件を満たすものにおける一定の学修その他学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第六条第一項に規定する文部科学大臣の定める学修を行い、かつ、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が行う審査に合格して、学士の学位を授与されたこと。

ニ 本邦の専修学校の専門課程の学科(専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(令和五年文部科学省告示第五十三号)第二条第一項の規定により文部科学大臣の認定を受けたものに限る。)を修了し、専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程(平成六年文部省告示第八十四号)第三条の規定により、高度専門士と称することができること。

二 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。三 日常的な場面で使われる日本語に加え、論理的にやや複雑な日本語を含む幅広い場面で使われる日本語を理解することができる能力を有していることを試験その他の方法により証明されていること。

四 本邦の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、第一号ハに規定する短期大学等の専攻科又は同号ニに規定する専修学校の専門課程の学科において修得した学修の成果等を活用するものと認められること。

引用:出入国在留管理庁「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」「特定活動(告示第46号)」概要

このように、日本において大学や専門学校を卒業した留学生であれば申請するチャンスがあるということになります。

特定活動(告示46号)の申請方法

特定活動-在留資格

申請に必要な書類

特定活動(告示46号)を申請するには、以下の書類を提出する必要があります。

  • パスポートおよび写真
  • 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  • 申請人の労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書(写し)
  • 雇用理由書(上記の書類の内容から、日本語を用いた業務等、本制度に該当する業務に従事することが明らかな場合は提出不要。所属機関が作成したものが必要)
  • 申請人の学歴等を証明する文書
  • 申請人の日本語能力を証明する文書
  • 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料(勤務先の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が記載された案内書、その他の勤務先等の作成した上記に準ずる文書、勤務先のホームページの写し(トップページのみで可)、登記事項証明書のいずれか)

申請の流れ

申請の流れは次の通りです。

  1. 申請書類を用意する
  2. 入国管理局に提出
  3. 入国管理局による審査(通常、1~2ヶ月程度かかる)
  4. 在留資格が許可された場合、許可通知が届く

申請先と注意点

申請先は、居住地の入国管理局です。申請前に書類が正確であるか、すべての要件を満たしているかを再確認することが重要です。間違った書類を提出した場合、申請が遅れる、または申請がおりない可能性がありますので注意しましょう。

申請方法の詳細については、こちらの法務省「在留資格「特定活動」(本邦大学等卒業者及びその配偶者)」にて確認が可能です。

特定活動(告示46号)の期間と更新時期は?

在留期間について

通常、特定活動(告示46号)の在留期間は、5年、3年、1年、6月又は3月のいずれかの期間が決定されます。基本的に「留学」の在留資格から切り替えの場合は「1年」が一般的です。初回の在留期間は短期で設定されることが多いですが、申請者の活動内容や状況によって変動する場合があります。

更新手続き

在留資格の更新は、在留期間が終了する前に行う必要があります。更新手続きには、再度必要な書類を提出し、活動内容や所属する企業・団体の情報を証明する必要があります。

永住権の取得

特定活動(告示46号)の在留資格から永住権を取得するには、一般的には数年以上の継続的な滞在と安定した就業が求められます。具体的な条件については、こちらの記事で解説しています。

「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」との違いは?

日本の企業で働ける、という点においては、「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」といった在留資格とどのような違いがあるのでしょうか。

特定技能については、定められた「特定の分野」でしか働くことはできません。また、それぞれの分野の専門的な試験に合格し、日本語要件を満たす、そして上限は5年まで、という制約が存在します。(※特定技能2号に移行すれば半永久的に滞在は可能)

また「技術・人文知識・国際業務」についてはよく混同されがちですが、違いとしては下記の通りです。

特定活動(告示46号)「技術・人文知識・国際業務」
活動内容の範囲特定の活動に限られる場合が多いより広範囲な専門的業務に従事するための資格
求められる資格活動内容に応じた資格が求められる従事する分野の学位や専門資格を持つことが一般的
在留期間や更新短期間の在留資格からスタートし、特定の条件下で更新可能比較的長期の在留が可能であり、更新が比較的容易

一見よく似た在留資格に見えますが、目的や業務内容に応じて申請する方が変わってきますので注意が必要です。

特定活動(告示46号)の在留資格で認められる活動例

特定活動-在留資格

特定活動(告示46号)によって認められている活動例としては、下記の通りです。

  • 飲食店で店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行う(※ 厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することはNG)

  • 工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行う(※ ラインで指示された作業にのみ従事することはNG)

  • 小売店において、仕入れ、商品企画や、通訳を兼ねた接客販売業務を行う(※ 商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することはNG)

  • ホテルや旅館において、翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業等の広報業務を行うものや、外国人客への通訳(案内)を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行う(※ 客室の清掃にのみ従事することはNG)

  • タクシー会社において、観光客(集客)のための企画・立案や自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動する。(※通常のタクシードライバーとして乗務することも可能ですが、車両の整備や清掃のみに従事することはNG)

  • 介護施設において、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、日本語を用いて介護業務に従事するもの。※ 施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。

  • 食品製造会社において、他の従業員との間で日本語を用いたコミュニケーションを取りながら商品の企画・開発を行いつつ、自らも商品製造ラインに入って作業を行う(※ 単に商品製造ラインに入り、日本語による作業指示を受け、指示された作業にのみ従事することはNG)

参考:留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン

例えばですが、工場の製造ラインのみでの従事、ホテルの清掃のみ従事という形であれば特定技能という資格で申請ができます。目的や業務に合わせて、検討しましょう。

特定活動(告示46号)の注意点

フルタイム雇用のみ許可&副業は禁止

特定活動(告示46号)の在留資格では、許可された活動以外の仕事や行為を行うことはできません。たとえば、別の企業での就業や、無許可の副業は禁止されています。

また、常勤での雇用を前提としています。フルタイム職員としての稼働に限られ、短時間のパートタイムやアルバイトとして雇用することはできません。派遣も認められていないため、注意しましょう。

変更や更新手続きの注意点

申請者の状況や活動内容に変更があった場合、速やかに入国管理局に報告する必要があります。更新手続きを遅らせると、滞在資格が失効する可能性があるため、計画的に手続きを進めることが重要です。

不正行為への罰則

不正に活動を行ったり、虚偽の情報を提供した場合には、退去命令や今後のビザ申請の拒否といった厳しい罰則が科される可能性があります。

特定活動(告示46号)を利用するメリットとデメリット

特定活動(告示46号)の在留資格を申請するメリットについてどのようなものがあるのでしょうか。

メリット

  • 留学生から、日本での就職までの流れがスムーズになる
  • 特定の活動範囲内で自由に就業できる(業務の幅が広い)
  • 長期的就業が可能で、一定条件を満たせば永住権申請もできる
  • 生活支援が必ずしも義務ではない(特定技能は生活支援が義務)

デメリット

  • 定められた活動に制限があり、パートタイムや副業は難しい
  • 特定の業務のみへの従事ができないことがある

特定活動(告示46号)は日本に滞在する留学生の就職を支援する目的があります。そのため、「技術・人文知識・国際業務」で求められるような高度な要件は必要がないことが大きなメリットでしょう。一方、特定技能のような現場での作業がメインとなるものができないことは留意しておきましょう。

まとめ

以上、特定活動(告示46号)について詳しく解説しました。特定活動(告示46号)は、日本での就業を希望する外国人にとって非常に重要な在留資格です。受け入れ企業側は、適切な準備と手続きを行うことで、外国人の安定した生活を支える基盤となります。また、企業で長く働いてもらえる人材の雇用にもつながります。

SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。

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監修:川村 敦
株式会社CROSLAN代表取締役/大阪府出身 神戸大学在学中にベトナムへ留学したことをきっかけに、日本で働く外国人の現実に衝撃を受ける。その後、エンジニアを経て外国人雇用に関するサービスを提供する株式会社CROSLANを2017年設立。特定技能外国人の管理委託や、管理クラウドサービス事業を通じて数多くの特定技能外国人のサポートを行ってきた実績の持ち主。趣味は世界遺産巡り。
       

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