【後編】技能実習と特定技能は今後どうなる!? 海外人材業界のオピニオンリーダー鈴木とSMILEVISA代表の川村2名が業界の未来を大胆予測



技能実習・特定技能の課題や今後の予測などを対談形式でご紹介している本記事ですが、今回はこちらの前回の記事(【前編】技能実習と特定技能は今後どうなる!? 海外人材業界のオピニオンリーダー鈴木とSMILEVISA代表の川村2名が業界の未来を大胆予測)に続き、後半をお送りいたします。


特定技能外国人労働者の周りで起こっている問題について、具体的にどのようにすれば解決ができるとお考えですか?

鈴木:どのように特定技能外国人の問題を解決できるかという点に関しては、やはり特定技能を自社内製化で採用し、それをきちんと監視するということが問題解決の抜本的な対応だと考えています。

技能実習生制度にしても、監理団体や登録支援機関を介すことで、支援委託をするとどうしても労務管理やメンタルフォロー、キャリアパス等は丸投げ体質になっていきます。

特定技能を自社内製化した場合には数多くのメリットがあると思いますが、私たちはその中のひとつに「他力本願からの脱却」というのを掲げております。

特定技能外国人を直接採用する企業が、登録支援機関を介さず、自社支援に徹して、コンプライアンス重視も徹底して、それでも発生する労使トラブルは蓄積という考え方で、改善させていくことが真のグローバル・スタンダードカンパニーになるということだと信じています。

それが今後の問題発生を未然に防いだり、多くの外国人と日本人に愛される企業体になっていくと思います。例えば私たちのワールドフォレストのミッションを少し話しますと、「世界の人材に多様な就労機会を創出して、世界で活躍できる人材育成を支援して、世界で活躍できる企業を支援して、労働市場のグローバル・スタンダード化と、労使が成長できる環境設定を確立することで、日本国の真の外国人共生の樹立を目指します」と掲げています。

私の現場第一主義の観点から、外国人雇用の「環境」さえ良質に設定されていれば、まず問題は起きないと自負しております。受け入れ企業側で良い社風、良いコミュニケーション、気遣いの気持ちや、多くの愛に溢れた「環境」を設定していれば、技能実習生だろうが、特定技能外国人だろうが、日本人であろうが、関係なく労使の問題は起きないというのが私の考えですし、自然の摂理ともいえるかなと考えています。

川村:確かにそうですね。特定技能外国人を自社支援で受け入れるというのは、自分たちで外国人を支援することで、当事者意識が芽生えるという点が大きいです。

自社支援体制とノウハウを構築しながら受け入れることでほかの人を責めることがなくなり、自分たちで責任を取る意識が高まると思います。今までは外部に丸投げであったため、何か問題があったら監理団体や登録支援機関に対して「あなたたちのせいですよね」というような言い訳ができたわけです。

しかし、本来であれば社内の人間関係や指導方法に問題があって外国人本人たちが不満を持っているという内部の問題が顕在化するケースがあるので、自社支援に切り替えてうまく支援ができていくのであれば、これまで出ていた問題から大きく状況は変わっていくと思います。

鈴木:そうですね。当事者意識という点では、世論は非常に大切で、世論というのもTwitter含めたネット炎上とかに走りやすいので、いかに現実に即した声が顕在化するかが大事だと思います。日本では「外国人がひどい目にあっている」と聞くと抵抗を感じる国民性をもっているため、これをいかに見せて共有化していくかが問題を解決するために非常に大切なところかなと思っています。

企業側としても他力本願をやめようというのがありましたが、特定技能外国人の方が声を上げていく体制は確保されているのでしょうか?

川村:実際には、まだまだという部分もありますが、定期的な定期面談や、出入国在留管理局等の行政を含めて相談先などが確保されているため、何か外国人側に不利なことがあった場合は通報自体はできるようになっていますよね。

さらに、仕事に対する要望や将来こうなりたいというビジョンについても定期的な面談や普段の相談の中で、企業と外国人の両者間で積極的に意思疎通をはかっていくことが求められると思います。

鈴木:そうですね。日本人と同様、外国人たちが声を上げることも確かに必要なことですよね。日本における外国人労働者との共生社会においては、外国人本人たちも重要な位置を占めると思います。

特定技能においては外国人側も意識を高める必要があると思います。要は労働者になるため、どんな目的で仕事をしたいか、自分の目的はお金以外に何なのか。これからは人生のキャリアとか目的のところを強く意識して、日本に入ってきていただくことが重要かなと思います。

もちろん現状のアジア圏等ではその未来が描きにくいことは十分承知していますので、日本側のキャリアパスサポートも必要だと思います。

現状、コロナがきっかけでオンラインでの海外とのアクセスは非常に容易になったため、多くの外国人に日本の制度の違いや、働くための意味、こういったことの勉強や指導も行っていければいいのかなと考えています。

川村:そうですね。現地への情報提供という意味でいくと、ベトナムとかフィリピンなどの現地で、海外出稼ぎのことを「労働輸出」という言葉が使われています。特定技能も労働輸出に含まれるので、向こう側の意識というのは未だに出稼ぎという部分が多くあるのが現実です。

ただ本当の意味で共生していくということであれば、一人間として日本で生活していく、最長5年という制限があったとしても、生活していく上で、単に働くだけではなく何を学んで将来の自分をどう描いていくのかとか、もう少し視野を広げていくことが大切になるかなと思います。

今後、技能実習、特定技能業界はこうなる!という未来予測を教えてください。

鈴木様:まず近年、「日本が選ばれる国にならなければいけない」というキーワードが、日本の外国人労働者の受け入れに関するテーマになっていることは事実だと思います。その中で、私個人としては「選ばれる国にならなければならない」という視点はあまり重視すべき点とは考えていません。

というのは、労働市場の流動というのは自然に任せるべきですし、労使間が自然な状態にあるべきものだと思っています。そのため、日本の企業も外国人を積極的に採用したい、逆に言えば企業は「どこの国の方が必要だからその国の人材を採用したい」というところまで成長していくべきだと思っています。

外国人の方々も、日本の労働市場に対して、「自分にはこういう夢とか目的があるから日本の労働市場で働きたいんだ」という強い意志をもたなければいけないかなと思います。つまり、Whyというのが非常に大切になってくるかなと思っております。

まず一つは、日本企業はどうして外国人労働者を採用するのか、どうしてその国の方を採用するのか、このWhyにしっかり対峙しなければならない時代になったと思います。外国人側もなぜ外国に行くのか、なぜ日本で働きたいのか、このあたりのWhyと対峙していく必要があると思います。その中で、「日本人だけ採用する」「日本以外の国に行く」ということがしっかりジャッジされれば、それはそれで良いのだと思います。

また、現実的な展望としては、今後、技能実習制度と特定技能制度が両方維持された状態で進むのであれば、技能実習生制度は先ほど話したとおり本来の目的に沿って運用されるべきだと思っています。特定技能制度に関しては、人手不足を補う外国人労働者の受入れ制度であるため積極的に活用されるべきだと思っています。

大胆な予想かもしれませんが、個人的には特定技能制度においては、すべての人手不足分野に「派遣型」を認める方向に検討されるのではないかなと思います。まあ、これは私の願望でもあるんですが…(笑)

なぜなら特定技能の「派遣型」を認めることによって、受入企業の指揮命令系統のなかでの派遣社員となり、特定技能外国人は派遣会社の社員として守られることになります。派遣会社は強い法律で労働者の保護を定めていますので、下手な人権侵害や不正行為を起こせば、派遣免許を剥奪されるリスクを負います。もちろん派遣会社のコンプライアンス体制は厳格に審査されることを前提にしております。

従ってこの「派遣型」を認めることが、実は日本政府として防ぎたい不正や人権侵害の防止、また外国人労働者の流動に繋がると勝手ながらに思っております。あえて特定技能業界が「派遣型」に向かえばよいのではないかという大胆な提言をしてみました。

川村:なるほどですね、なかなか面白い着眼点だと思いました。私個人の展望を言えば、最初の技能実習制度の始まりも、数職種という少ない数からスタートしてここまで広がってきました。特定技能も業界の要請に応じて、人手不足というところの分野に関してはすべてをカバーしていくように拡充していくと思いますね。

JICAの資料では今後、2040年の時点では600万人の外国人労働者が不足すると予想されています。このままだと、特定技能の政府目標設定値では到底カバーできないので、それらを踏まえた上で、時代を先読みしながら、拡充が図られていくと思います。

鈴木:そうですね、特定技能の職種については、人手不足の分野に合わせて広がっていくと私も思います。

最後に、この記事を読んでいただいている読者の皆様に一言お願いします!

鈴木:先程、「特定技能の内製化に労働者周りの問題を解決する答えがある」と言いましたが、その事例をひとつご紹介させてください。今、弊社では3社の特定技能内製化の支援をしております。

規模は、100名、20名、10名という規模の会社ですが、最近は零細企業でも特定技能の内製化に着手するところが増えてきた印象です。その中で丁寧な解説、説明をすれば3社とも大変喜んで頂いています。

特定技能外国人の支援責任者、支援担当者に抜擢された若い方が喜んでいます。なぜなら今まで分からなかった知識を知ることができたという点が大きいそうです。そのようなお話を聞くと、これからは仲介機関を通さずとも自社で解決でき、いろいろな国にアクセスが可能になるという壮大な夢に対して、3社とも非常に満足しているのではないかと感じます。

仲介機関を介さない特定技能の自社支援は、手間や時間がかかる作業だと思いますが、将来的に日本全国で特定技能は内製化で採用され、自社支援をする企業がこの先どんどん増えていく世界になれば良いと思っています。

川村:そうですね。弊社CROSLANも登録支援機関ではあるのですが、あくまで支援という意味合いですので、やはりゆくゆくは多くの企業を自社支援に導いていくべき存在でありたいと考えています。

現状では、要件を満たしていないから今は登録支援機関に委託しているけれど、ゆくゆくは卒業していきたいという企業様を手助けする存在というところですね。実際はこういった形であるべきだし、多くのお客さんが弊社に対してもその役割を求めていると感じています。

今後に関しても、時代の流れとして受け入れ企業の体制が整うのであれば、多くの企業が自社支援に切り替えて自立していくのではないかと思っています。

お二人ともありがとうございました。今後の特定技能業界がどのようになっていくか、とても興味深い対談となりました。

今後の技能実習と特定技能制度がより充実し、外国人と企業の両方がWin-Winの関係を築いていけるよう願っています。

最後に

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一般社団法人ワールドフォレスト
当団体は外国人雇用サポートのプロフェッショナル集団で海外人材ビジネスを健全に成長させることを大義に活動しております。現在、40を超える技能実習生監理団体、9社の職業紹介事業者、3社の特定技能内製化企業、3社のサプライヤー企業がメンバーとなり運営されております。
メンバーを募集しておりますのでご興味ある方は問合せページよりアクセスください。
公式ホームページ:https://world-forest.jp/

SMILEVISA(株式会社CROSLAN)
SMILEVISAは、特定技能に関する面倒な書類作成・管理を自動化し、必要な業務やデータをオンラインで管理できるクラウドサービスです。特定技能を受け入れの企業にとって大幅なコストカットと作業の効率化を月額5,000円~で実現します。中小企業~大企業まで幅広い業界にて導入が進んでいます。資料請求やお問い合わせはこちらより。公式ホームページ:https://www.smilevisa.jp/

       

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