みなさん、こんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。
技能実習生に関する制度の改革について、政府機関で様々な議論が行われていましたが、政府でも技能実習制度を廃止して、新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定されました。
そして、2025年6月、技能実習制度が廃止され、新たに育成就労制度を開始する改正出入国管理法などが、参議院本会議で賛成多数で可決・成立したことがニュースとなりました。
さらに、2025年8月、育成就労制度の具体的な運用を検討する有識者会議で、転籍制限期間や追加分野の設定など、運用方針が示されました。
今回は、今技能実習生を受け入れている企業や、これから受け入れたいと考えていた企業にとって、気になる動向を随時更新していきます。
育成就労制度そのものについては以下の記事で詳しく解説しています。
技能実習生・特定技能受入れ企業への影響や課題は?

今回の改正の方向性をめぐり、受入れ企業からは様々な声が出ています。
今後起こりうる課題としては、下記が挙げられるでしょう。
転籍が認められたことにより、受け入れ時の負担費用の損失が発生する可能性
受入れ企業側は、技能実習生を受け入れる際に初期費用として少なくはない金額を負担しています。その後は長く実習を行うという前提が今回の改定にて無くなってしまう可能性が高く、それに伴い、転籍を早い時期にされた場合は、その費用が無駄になってしまうという問題が発生します。
今回の改定にて、出入国管理局のほうで転籍についてはある一定の条件を設定するということでまとまっています。現状は1~2年働き一定の要件を満たせばと転籍ができるようになる方向で調節に入っていますので、外国人が他の会社に行かないよう、就労環境を整えたり、外国人のケアをよりよく行えるようにしたりといった努力が受け入れ機関側でも必要になりそうです。
転籍が認められたことによる地方での人手不足の深刻化
転籍が認められることにより、技能実習生についても転職の自由が保障されることになりました。しかし、技能実習においても最低賃金の差などから、地方よりも都市部へより高い賃金・より良い待遇を求めて転出する傾向が高くなると予想されています。
そのため、これまで地方で働いていた実習生が転籍をするにあたり、都市部へ流出する可能性が高く、地方では人材の不足が顕著になる可能性があります。
ただ、各自治体へ外国人材受け入れ環境の整備をするように働きかけられる可能性があるため、地方自治体ではより人材を獲得するための動きもみられるかもしれません。
永住許可の取り消しが可能に
技能実習に代わり育成就労制度が導入されることにより、特定技能1号、特定技能2号へ移行する外国人が増加することが見込まれています。その際に不法に滞在する外国人の増加も予想されるため、政府は改正法に、永住許可の取り消しに関する要件を追加しました。
たとえ永住権を取得した後であったとしても、下記の項目に該当すると永住権が取り消される可能性があります。
・故意に納税や公的な保険料の納付を怠る(納税義務の違反)
・在留カードの常時携帯しないなど入管法の義務に違反する
・日本の法律を守らない場合
通常通り、決まりを守って生活をすれば問題のない範囲とは言えますが、永住権を長い年月をかけて取得した場合にこのような厳しい処置がなされれば不法滞在や不法行為が減ると予想されています。

【重要】受入れ企業の対応も大きく変わる
技能実習制度の経過措置について(令和7年12月改訂)
2024年に公表された新制度(育成就労制度)への移行に伴い、
現在の技能実習制度については、一定期間の「経過措置」が設けられています。
上の図は、施行日(令和9年4月1日)を基準に、「どのような場合に技能実習を継続できるのか」を時系列で示したものです。

現在受け入れている技能実習生はどうなる?
現在すでに受け入れている技能実習生は、原則として引き続き技能実習を継続できます。
施行日(令和9年4月1日)の時点で、
- 日本に在留している
- 技能実習を実施している
この条件を満たしている技能実習生は、
経過措置の対象となり、施行日後も技能実習を続けることが可能です。
技能実習の段階(1号・2号・3号)について
経過措置の対象となる場合、
要件を満たせば、以下のような段階移行も認められています。
- 1号技能実習生
→ 施行日後も2号技能実習へ移行可能 - 2号技能実習生
→ 施行日時点で2号を1年以上行っている場合に限り、3号へ移行可能
つまり、現在技能実習中であれば、直ちに帰国が必要になることはありません。
施行日前に技能実習計画を申請している場合
施行日前に技能実習計画の認定申請を行っている場合、
その計画が、
- 施行日から3か月以内に開始される内容であること
などの条件を満たせば、
施行日後に技能実習生として入国できる場合があります。
※技能実習計画が施行日後に認定されるケースもあります。
すでに技能実習を終了し、出国している場合
一方で、施行日前にすでに技能実習を修了し、出国している場合は、
技能実習生として再度入国することはできません。ただし、過去の技能実習期間や職種によっては、
育成就労外国人として再入国できる可能性があります。
一方、今回の方向性によって、生まれるメリットとしては下記の通りです。
技能実習に対する国際的な批判・国内での世論を解消することができる
元々、技能実習生制度については国内外の批判にさらされていました。そのため、今回の技能実習制度の改定によって、より制度の柔軟性が高まり、批判についても解消することができる可能性があります。
今後も技能実習制度については様々な意見を取り入れながら改定が続くと見込まれますが、今回の改定については一定の評価を得られるのではないかと予想されます。
技能実習生(育成就労)の自由度が増し、選択肢が広がる
これまで、技能実習生についてはいつでも転職が可能な特定技能外国人と違い、一つの受入れ企業で働き続けることが基本となっていました。しかし、今回の改定により、技能実習生側にも転籍の自由がある程度保証され、職業選択の自由が保障されることが予想されています。
そのため、これまで不利益なことがあったり、待遇に不満があったとしても問題が解決されない場合は我慢するという方法しかありませんでしたが、今後は転籍すればよいということになります。またそれに伴い、技能実習生の失踪率の低下も期待されています。
特定技能受け入れ企業の対応に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 育成就労制度ではどのぐらいの期間働くことができる?
A. 注意:育成就労制度への移行はできません
経過措置の対象となって技能実習を継続する場合、
新制度である「育成就労制度」へ途中で移行することはできません。
最後まで技能実習制度のルールが適用される点には注意が必要です。
Q2. 育成就労制度では家族の帯同はできる?
A. 原則家族の帯同は認められません。
Q3. 元技能実習生が育成就労制度で再度来日して就労することはできる?
A. 2年以上の技能実習をすでに行った場合はできません。技能実習を行った期間は育成就労を行った期間とみなされます。ただし、例外も予定されており、今後定められるようです。
受入れ企業は、特定技能の受入れも検討してみましょう
以上が、技能実習制度の改定についてのまとめでした。こちらはSMILEVISA独自に情報収集・まとめをしておりますので、正確な情報や最新の動きについては必ず出入国在留管理庁までお問合せください。
技能実習生の改定により、受入れ企業側でも様々な課題が生じる可能性もあります。技能実習生がよりよい環境で働けるよう、企業として努力を続けていくことも必要です。
また、これを機に即戦力である特定技能外国人の雇用を検討されることもオススメです。特定技能外国人の受入れを検討している企業様は、こちらよりお気軽にご相談ください。

※本記事は現時点(2026年2月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。