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みなさん、こんにちは。SMILEVISAです!
2019年4月から特定技能という在留資格が創設されました。この特定技能とは、日本の深刻な人手不足の問題を解決するため、一定の専門性や技能を持ち、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。
実際に、特定技能外国人を受け入れている企業は年々増加しており、これからの人材確保に向けて受け入れを検討しているという企業も少なくありません。
しかし、「実際に日本にはどのくらいの人数の特定技能外国人がいるのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。そこで今回は日本にいる特定技能在留外国人数や分野別の人数、受け入れ目標人数との比較などを紹介していきます。
日本に特定技能外国人はどのくらいいるの?
出入国在留管理局が令和4年12月末時点での、特定技能在留外国人数を発表しました。出入国在留管理庁「入管最新特定技能在留外国人数の公表」の統計によると、特定技能在留外国人数は、令和4年12月末の時点では130,915人です。
ただし、この人数には、特定産業分野で熟練した技能が要される業務に従事する、特定技能2号在留外国人の人数は含まれていません。ちなみに、特定技能2号在留外国人は、令和4年12月末時点では8人となっています。
では、特定技能の制度が始まった2019年4月から令和4年12月末時点での特定技能外国人数はどれくらい増えているのでしょうか。出入国在留管理局が発表した特定技能外国人数の推移表は、下記の通りです。

特定技能という制度が始まった2019年4月当初は、もちろんのこと特定技能外国人は0人でした。
その2か月後の2019年6月末には20人と増えてはいますが、制度がまだまだ浸透していなかったと言えます。
しかし、その後の人数は右肩上がりで確実に増加していることが、人数推移表から分かります。制度が始まって間もない頃と比較すると、令和4年12月末までの約3年半で特定技能外国人の人数はかなり増えてきていると言えるでしょう。
では、具体的にどのような分野や、国籍の特定技能外国人が日本にいるのでしょうか。特定産業分野、国籍や地域、都道府県別におけるそれぞれの人数を紹介していきます。

特定産業分野別特定技能在留外国人数
まずは、特定産業分野別における特定技能外国人の人数を見ていきましょう。令和4年12月末時点で、出入国在留管理局が発表した特定技能外国人の分野別人数は、下記の通りです。


特定技能外国人数が最も多い分野は、飲食料品製造業分野で42,505人となっています。
構成比も32.5%と最も高いです。
次いで素材系・産業機械・電機・電子情報関連製造業分野が27,725人で構成比21.2%、農業分野が16,459人で構成比は12.6%という結果になりました。
反対に、特定技能外国人数が最も少ない分野は航空分野で164人でした。
宿泊業の分野においても、特定技能外国人は206人と数値が低くなっています。しかし、2023年以降のアフターコロナ時代においては宿泊や、外食、航空業界などの特定技能外国人が増えることが予想されますね。
国籍、地域別特定技能在留外国人数
では、国籍や地域別における特定技能外国人数は、どのような割合になっているのでしょうか。
令和4年12月末時点で、出入国在留管理局が発表した特定技能外国人の国籍や地域別の人数は、下記の通りです。

特定技能外国人の中で、最も多い国籍はベトナムでした。
人数は77,135人となっており、全体の58.9%を占めています。次いで多かったのはインドネシアで、人数は16,327人で、構成比は12.5%となっています。インドネシア人は増加していますが、まだまだベトナム人が大多数と言えそうです。ちなみにフィリピンも13,214人を超えており、構成比も10.1%以上でした。
一方で、中国やミャンマー国籍である特定技能外国人は10,000人以下で、構成比も10%未満です。カンボジアやタイ、ネパールに至っては3,000人以下で、構成比も2%前後となりました。

都道府県別特定技能在留外国人数
都道府県別で見てみると、特定技能外国人数の差はあるのでしょうか。令和4年12月末時点で、出入国在留管理局が発表した特定技能外国人の都道府県別における人数は、下記の通りです。



特定技能外国人は47の全ての都道府県において、業務に従事しています。
その中でも特に特定技能外国人数が多いのは愛知県で、11,553人となっています。次いで多いのは大阪府で、7,809人でした。東京都、茨城県や埼玉県、千葉県も6000人を超えています。これらの数値から、特定技能外国人数は都市部や都市部周辺が多いということが分かります。
一方、都市部から離れた地域の場合は、特定技能外国人の構成比が1%以下となっている県も多い結果となりました。外国人は仕事が多く、生活しやすい中心部に集まる傾向があるため、地方の受入れ企業はより優秀な特定技能外国人を雇用するための努力をしているようです。
受け入れ人数目標との比較
出入国在留管理局は、特定技能外国人の受け入れ見込み人数目標を公表しています。令和4年12月末時点で、特定技能外国人数は目標とされている受け入れ人数を満たしているのでしょうか。
- 受け入れ見込み人数目標と、実際の特定技能外国人数の比較
出入国在留管理局が発表した、5年間における1号特定技能外国人全体の受け入れ見込み人数目標は345,150人とされています。
ところが、令和4年12月末時点では1号特定技能外国人は130,915人と、目標人数の3割ほどとなっています。
受け入れ見込み人数目標と、実際の特定技能外国人数の差は分野別ではどうなっている?
では、それぞれの分野においては、受け入れ見込み人数目標と実際の特定技能外国人数の比較はどうでしょうか。
分野別の比較結果を見ていきましょう。
出入国在留管理局が発表した特定技能外国人受け入れ見込み目標人数と、令和4年12月末時点における特定技能外国人の分野別人数の比較は、下記の通りです。
分野 | 受け入れ見込み人数目標 | 令和4年12月末時点の特定技能外国人数 |
介護 | 60,000人 | 16,081人 |
ビルクリーニング | 37,000人 | 1,867人 |
素形材・産業機械電気・電子情報関連製造業 | 31,450人 | 27,725人 |
建設 | 40,000人 | 12,768人 |
造船・船用工業 | 13,000人 | 4,602人 |
自動車整備 | 7,000人 | 1,738人 |
航空 | 2,200人 | 167人 |
宿泊 | 22,000人 | 206人 |
農業 | 35,500人 | 16,459人 |
漁業 | 9,000人 | 1,638人 |
飲食料品製造業 | 34,000人 | 42,505人 |
外食業 | 53,000人 | 5,159人 |
令和4年12月末時点では、受け入れ目標人数を満たしているのは飲食料品製造業のみという結果になりました。飲食料品製造業以外の分野では、受け入れ目標人数に実際の特定技能外国人数は到達していません。
実際に業務に従事している特定技能外国人が、受け入れ目標人数の半数にも満たしていない分野も目立っています。
特定技能外国人数は右肩上がりだが、目標までは課題も

今回の記事では、日本にいる特定技能在留外国人数や分野別の人数、受け入れ目標人数との比較などの最新データを紹介しました。特定技能外国人数は制度が始まった当初に比べると非常に増加しており、特に飲食料品製造業の分野において増加していることが分かりました。
その一方で、出入国在留管理局が発表した受け入れ見込み人数目標の達成率は3割ほどという結果になっています。特定技能外国人の受入れがなかなか進まない現状の課題として、煩雑な申請書類の提出があることや、特定技能の支援業務の委託費が高いこと、自社支援ができることがあまり周知されていないなどの点も挙げられるでしょう。(SMILEVISAではそのお悩みをすべて解決するお手伝いをしています)
しかしながら、2024年も引き続き深刻な人手不足が続くことが予想され、特定技能外国人数は右肩上がりで増加しているので、まだまだ今後も受け入れが進んでいくことが期待できそうです。
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※本記事は現時点(2023 年2月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書 式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国 在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。