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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
受入れ企業が行う特定技能外国人の手続きには「比較対象の日本人」について説明しなければならない届出があります。比較対象の日本人は特定技能外国人の報酬に関係する重要な項目なのですが、
「そもそも比較対象の日本人はどのように決めればいいのか」
「会社に比較対象の日本人がいない場合はどうするのか」
など、よく理解していなければ手続きが複雑に感じてしまう部分もあるのではないでしょうか。そこで今回は特定技能の比較対象の日本人について、受入れ企業のさまざまなケースに応じた申請方法を解説していきます。
特定技能外国人の受入れには必ず比較対象の日本人についての申請が必要になりますので、比較対象がいない場合も併せて理解しておきましょう。
特定技能の比較対象の日本人とは?
はじめに特定技能の比較対象の日本人とは、特定技能外国人の賃金設定が不当な額でないことを証明するために比較する日本人労働者のことです。
特定技能外国人の受入れに関する運用要領では、賃金に関して下記の内容が定められています。
- 特定技能外国人に対する報酬の額は、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
- 外国人であることを理由に、報酬の決定や教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的な取り扱いをしていないこと。
受入れ企業がこれらの内容を満たしているか、特定技能外国人の報酬が適切であることを証明するために日本人労働者を比較対象として説明するということです。
特定技能外国人が意欲を持って働き続けるために、比較対象の日本人を設定して適切な労働条件を示すことが大切です。
比較対象の日本人の記載が必要な届出には何がある?
それでは実際に、比較対象の日本人についての記載が必要な手続きは何があるのか確認しておきましょう。特定技能外国人の手続きで比較対象の日本人についての記載が必要な届出には、以下2つのタイミングです。
在留資格の申請時 ①認定(新規) ②変更 ③更新時 | ・参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」で比較対象の日本人についての記載が必要 ※「一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関」に ついては提出省略可能です。対象の機関についてはこちらで解説。 |
定期届出 | ・参考様式第3-6号(別紙)「特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払い状況」に、比較対象となる日本人労働者の賃金台帳の写しの添付が必要 |
※定期届出とは、受入れ企業が四半期に一度行わなければならない届出のことです。詳しくはこちらの記事より確認できます。
※賃金台帳とは、従業員への給与の支払状況を記載した書類のことです。賃金台帳には基本賃金や残業代等諸手当の支給額、控除額及び労働時間、労働日数、所定時間外労働時間を記載します。
次に、比較対象の日本人についての記載箇所を確認しておきます。
例①参考様式第1-4号特定技能外国人の報酬に関する説明書(在留資格の申請時)
こちらは参考様式第1-4号特定技能外国人の報酬に関する説明書の一部です。
出入国在留管理庁|在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)より引用
比較対象の日本人がいる場合といない場合に分けて記載する箇所があります。
例➁参考様式第3-6号(別紙)特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況(定期届け出)
こちらは参考様式第3-6号(別紙)特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払い状況の一部です。
出入国在留管理庁|在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)より引用
書類の右部に「報酬決定に当たって比較対象とした従業員」の記載欄があります。
これらの届出からも分かるように、比較対象の日本人に関する申請は特定技能外国人の報酬が日本人と同程度以上であることを説明するために必要です。
上記の手続き以外にも、雇用条件書のように賃金に関する記載が必要な書類は、特定技能外国人の報酬が不当な額となっていないか比較対象を決めて説明しなければなりません。
比較対象の日本人はどのように決定する?
それでは比較対象の日本人はどのように決めれば良いのでしょうか。特定技能の比較対象の日本人は、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者が対象となります。
ただし、受入れ企業のなかには同じ業務を行う日本人労働者がいなかったり、賃金規定がなかったりするケースも考えられます。
その場合はほかの従業員と比較することになりますが、誰でも良いわけではありません。比較対象になる労働者には決められた基準がありますので、次で詳しく解説していきます。
比較対象の日本人がいない場合の申請方法は?
比較対象の日本人がいない場合の申請方法を、下記の3つのケースに分けて見ていきましょう。
- 比較対象の日本人はいないが賃金規定がある場合
- 賃金規定がなく、同等の業務に従事する日本人労働者がいないが特定技能外国人と近い業務を行う日本人労働者がいる場合
- 賃金規定がなく、比較対象の日本人もいない場合
①比較対象の日本人はいないが賃金規定がある場合
受入れ企業に賃金規定がある場合は、賃金規定に基づいて決定します。
比較対象の日本人がいない場合でも、賃金規定から適正な報酬額であることを証明することで申請できます。
②賃金規定がなく同等の業務を行う日本人労働者はいないが、特定技能外国人と近い業務を行う日本人労働者がいる場合
賃金規定がなく同等の業務を行う日本人労働者がいない場合は、近い業務を行う日本人労働者を比較対象とします。
この場合は特定技能外国人と同等の業務を行っていないため、日本人労働者の役職や責任の程度をふまえて判断しなければなりません。あくまで近しい業務なので、日本人労働者の経験年数やスキルがやや異なっていることになります。
- 特定技能外国人との報酬差を合理的に説明可能か
- 年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当か
などを検討して、最終的な判断をします。
在留資格の申請時に、参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」について下記の通り、比較対象となる日本人がいない場合のフォーマットが用意されています。
出入国在留管理庁|在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)より引用
こちらの⑤に、なぜその日本人が比較対象として妥当なのかを説明する欄がありますので、合理的な理由を必ず記載をしましょう。賃金規定がなく日本人労働者も雇用していない場合は、任意の様式で特定技能外国人の報酬額を決定した方法や、決定した経緯を説明した文書を提出してください。
③賃金規定がなく、比較対象となる日本人もいない場合
以前は、賃金規定がなく、比較対象として判断できそうな日本人もいない場合は、他社の特定技能外国人の報酬額と比較するとされていました。
しかし、現在は賃金規定がなく、また、日本人労働者も雇用していない場合については任意の様式で、対象の特定技能外国人の報酬額を決定した方法や経緯などについて説明した文書を提出することが求められています。
退職等で比較対象の日本人が変更になった場合は?
比較対象としていた日本人が、退職などの理由でいなくなってしまう場合も考えられます。
この場合、新たな比較対象となる日本人がいるのであれば、定期届け出の時点で、参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」に、変更後の比較対象の日本人について記載し添付しましょう。
比較対象の日本人がいない場合は「比較対象の日本人労働者がいない」にチェックを入れ、特定技能外国人と同等の業務を行う従業員の賃金台帳の写しを提出してください。
特定技能を受け入れる際に、比較対象を正しく理解しましょう
以上、特定技能の比較対象の日本人について解説しました。
特定技能外国人の報酬に関する書類には、比較対象の日本人についての記載が必要です。受入れ企業に比較対象の日本人がいない場合は、決まりに従い特定技能外国人の報酬を決定することになります。
受入れ企業は特定技能外国人を不当な報酬額で働かせることがないように、比較対象の日本人の条件を正しく理解しておかなければなりません。
特定技能外国人が安心して働き続けるために「比較対象の日本人」とは何なのかを理解し、適切な雇用条件のもとで受入れを進めていきましょう!
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※本記事は現時点(2024年8月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。