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【特定技能・建設分野】土木・建築・ライフライン/設備3区分への統合とは?その理由や申請の影響について解説

公開日: 最終更新日: PV:6448

みなさんこんにちは!
SMILEVISAです。

2022年8月30日に、国土交通省より建設分野の特定技能をこれまでの19の業務区分から、土木・建築・ライフライン/設備の3つへ統合するとの告示がありました。

今回、この3つの業務区分へ変更された理由や、その内容、そして影響まで詳しく解説していきたいと思います。

なぜ建設分野の19区分→3区分へ業務区分が変更に?


そもそもなぜ、19区分あった建設の業務区分が3区分に変更されることになったのでしょうか。その理由として、国土交通では以下の2点を理由としてあげています。

※元記事はこちらの業務区分の統合に係る関係資料【特定技能制度(建設分野)】より

  1. 業務区分が19区分と細分化されているため、特定技能が就労可能な業務範囲が限られているため
  2. 建設業に含まれる作業の中で、特定技能で定められた区分に含まれないものがあり、専門工事業団体等から特定技能の対象に含めてほしいという要望が多かったため


つまり、以前の細分化された19区分の中では建設業の全ての業務をカバーできず、より広範囲の業務区分を作る必要があったということになります。そのため、今回は3区分として、より幅広い業務をカバーできるように制度が変更されました。


建設分野が3区分へ統合されたことによる新しい分類は?


今回、特定技能の建設分野で3区分に統合されましたが、実際にどのように統合されたのでしょうか。国土交通省では、統合後の3区分について、下記の通りで告示しています。

今後は、こちらのそれぞれの区分内であればどの業務でも行うことができるようになりました。

特定技能外国人1号の新区分と業務の定義

  • 土木
    指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事
  • 建築
    指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築若しくは移転又は修繕若しくは模様替に係る作業等に従事
  • ライフライン・設備
    指導者の指示・監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業等に従事


特定技能外国人2号の新区分と業務の定義

  • 土木
    複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事し、工程を管理
  • 建築
    複数の建設技能者を指導しながら、建築物の新築、増築、改築若しくは移転又は修繕若しくは模様替に係る作業等に従事し、工程を管理
  • ライフライン・設備
    複数の建設技能者を指導しながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理の作業等に従事し、工程を管理


※定義についてはこちらの国土交通省のウェブサイト(別表6-2)より引用

特定技能外国人1号3区分の業務内容

土木

主な業務内容想定される関連業務
① 型枠施工
② コンクリート圧送
③ トンネル推進工
④ 建設機械施工
⑤ 土工
⑥ 鉄筋施工
⑦ とび
⑧ 海洋土木工
⑨ その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業

建築

主な業務内容想定される関連業務
①型枠施工
②左官
③コンクリート圧送
④屋根ふき
⑤土工
⑥鉄筋施工
⑦鉄筋継手
⑧内装仕上げ
⑨表装
⑩とび
⑪建築大工
⑫建築板金
⑬吹付ウレタン断熱
⑭その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業


ライフライン・設備

主な業務内容想定される関連業務
① 電気通信
② 配管
③ 建築板金
④ 保温保冷
⑤ その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業

特定技能外国人2号3区分の業務内容

土木

主な業務内容想定される関連業務
① 型枠施工
② コンクリート圧送
③ トンネル推進工
④ 建設機械施工
⑤ 土工
⑥ 鉄筋施工
⑦ とび
⑧ 海洋土木工
⑨ その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業


建築

主な業務内容想定される関連業務
①型枠施工
②左官
③コンクリート圧送
④屋根ふき
⑤土工
⑥鉄筋施工
⑦鉄筋継手
⑧内装仕上げ
⑨表装
⑩とび
⑪建築大工
⑫建築板金
⑬吹付ウレタン断熱
⑭その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業


ライフライン・設備

主な業務内容想定される関連業務
① 電気通信
② 配管
③ 建築板金
④ 保温保冷
⑤ その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業
① 原材料・部品の調達・搬送
② 機器・装置・工具等の保守管理
③ 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
④ 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
⑤ 清掃・保守管理作業
⑥ その他、主たる業務に付随して行う作業

また、現在の区分が新しい区分のどこに当たるかわからない場合は、こちらの制度改正に係る業務区分の読み替え表から確認することができます。

※現在すでに特定技能外国人として働いている場合は、試験を受けなおす必要はなく、新しい業務区分内であれば業務が可能です

※新しい業務区分変更後の試験については、まだ詳細が決まっていない状態です(2022年9月現在)

建設分野の業務区分変更に伴う特定技能の申請書類の変更点は?

建設分野の業務区分が3区分に変更になりましたが、特定技能の書類申請に影響や変更点はあるのでしょうか。

こちら実際に国土交通省へ問い合わせたところ、「提出する書類等に現時点では変更はありませんが、区分を記入する部分に関しては、新区分で記入してください」との回答がありました。

従って、2022年9月の現時点では特に申請上の大きな変更点はなく、区分について新しく記入をする際は現在の業務区分が新しい業務区分のどちらに当たるか確認したうえで、その新しい区分を記載すればOKです。

例えば、在留資格変更 / 認定申請の際の書類で、特定技能外国人が担当する業務区分を記入する欄があります。この部分に新しい名称の業務区分(土木、建築、ライフライン設備のいずれか)を記入するようにしましょう。旧業務区分が新業務区分のどれに当たるのかはこちらからご確認いただけます。

今後、建設分野ではより幅広い業務区分で特定技能外国人の受け入れが可能に

以上、建設分野の新しい業務区分についてのまとめでした。

今回の変更により、以前まで限定的であった業務区分が撤廃され、今後は幅広い業務区分で特定技能外国人を受け入れることが可能になりました。

特定技能外国人を自社で受け入れたい、書類業務を効率化したいとお考えの方は是非お気軽にSMILEVISAまでご相談ください!



監修:川村 敦
大学時代にベトナムへ留学したことをきっかけに、日本で働く外国人の現実に衝撃を受ける。その後、エンジニアを経て外国人雇用に関するサービスを提供する株式会社CROSLANを2017年設立。特定技能外国人の管理委託や、管理クラウドサービス事業を通じて数多くの特定技能外国人のサポートを行ってきた実績の持ち主。趣味は世界遺産巡り。
       

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