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【前編】特定技能の生活オリエンテーションの内容は?伝えるべきチェックリストを公開!

公開日: 最終更新日: PV:2043

こんにちは!SMILEVISAです。

特定技能外国人を自社で管理する場合、生活オリエンテーションの実施は必須事項となっています。しかし、生活オリエンテーションでは何を伝えたらいいのかわからない、ということはないでしょうか?

今回は生活オリエンテーションの内容について解説します。前編、後編にわけて解説していますので、ぜひチェックしておきましょう。

生活オリエンテーションとは?

特定技能の受入れ機関において1号特定技能外国人が日本へ入国した後に行う情報提供を「生活オリエンテーション」といいます。実施に当たっては以下の3点が求められます。

  • 入国後遅滞なく実施すること
  • 十分理解可能な言語で実施すること
  • 8時間以上行うこと

決まりとしては必ず8時間以上とされていますが、既に外国人が日本にいるなどの場合は、すでに日本での生活情報などを得ている可能性が高いので8時間以下になることはOKとされています。ただし、 この場合も4時間未満は不可とされていますので、今一度確認の意味もかねて伝えておくようにしましょう。

生活オリエンテーションで伝えるべき内容は以下の通りです。

  1. 生活一般に関する事項(←本記事ではこちらを解説します。②〜⑥については後編の記事をご覧ください)
  2. 受け入れ企業等、住宅地、社会保障及び税に関する届出
  3. 相談や苦情に対応する者や国、地方公共団体の機関の連絡先
  4. 十分に理解できる言語により医療を受けられる医療機関
  5. 防災及び防犯に関する事項や急病等の緊急時における対応
  6. 規定違反時の対応方法や法的保護に必要な事項

それぞれについて具体的に解説していきます。

※前編記事では①生活一般に関する事項について解説していきます。その他の事項について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

①生活一般に関する事項

具体的には以下の8つを外国人に説明する必要があります。

  1. 金融機関の利用方法
  2. 医療機関の利用方法
  3. 交通ルール等
  4. 交通機関の利用方法等
  5. 生活ルール・マナー
  6. 生活必需品等の購入方法等
  7. 気象・災害情報の入手方法等
  8. 我が国で違法となる行為の例

それぞれについて詳しく解説していきます。

1.金融機関の利用方法

以下の内容を外国人に説明します。

銀行でできること

銀行では、お金の入金や出金、振り込み(※)、支払などができます。

※日本では、給料は会社から従業員の銀行口座に振り込む場合があるため、外国人自身の銀行口座を作る必要があることが多い(サポートとして同行するとなお◎)。

入出金、振込等の方法

入出金、振込を行うには銀行の窓口に行く、ATMを利用する等の方法があります。分からないことが多い時は銀行の窓口を利用し、通常時はATMを利用するのが良いでしょう。

口座解約について

外国人が出国する場合は、銀行口座が不要になります。その際に口座解約をする方法を伝えます。口座解約は銀行の窓口で行うことができ、その際にはキャッシュカード、通帳、お届け印、身分証明書などが必要になります。

※印鑑は母国で作っておくと、手続きがスムーズになります。これから特定技能外国人を受け入れる方は、外国人に母国で印鑑を作っておいてもらうと良いでしょう。

※将来的に再入国する等、口座を継続して利用する場合 → 出国前に銀行窓口に相談します。

※一時脱退の際、脱退一時金を受け取る口座を日本の口座にする場合、解約は不要です。

2.医療機関の利用方法

以下の内容を外国人に説明します。

医療機関(=病院)でできること

医療機関は、体のどこかが痛かったり、体調が悪いときに行く場所です。

医療機関に行ってからの手順

医療機関に行ってから診察までの手順を外国人に説明します。病院によりますが、基本的には以下の流れになります。

  1. 病院に行く ※保険証を必ず持参する
  2. 問診票(状態を書く)を記入し受付に渡す※症状を伝える際にはこちらの多言語問診票が役立ちます。
  3. 自分の名前が呼ばれるまでその場で待つ
  4. 案内されるところ(診察室)について行く
  5. 診察室で医師と話す
  6. お会計をする
  7. 薬が処方される場合は、処方箋をもらう(処方箋とは、患者の病気の治療に必要なお薬の種類や量、服用法が記載された書類です。病院の会計の際に診察の際に医師から渡されます。)
  8. 処方箋を薬局の方に渡し、薬局で薬を受け取る

その他、病院での注意点

アレルギーや宗教上の理由で食べられないもの・飲めないものがある場合、医者にそのことを伝えます。

例)
イスラム教(豚を食べてはいけない、飲酒禁止、アルコール消毒が不可なケースもある)
ヒンドゥー教(牛を食べてはいけない、卵類を食用にしない人も一定数いる)

3.交通ルール等

以下の内容を外国人に説明します。

車やバイクを運転する場合、日本の免許証が必要であること

外国人が日本で自動車やバイクなどを運転するときは「日本の運転免許証(もしくは国際免許証)」が必要であることを伝えます。

国際免許を有している場合を除き、他の国(母国など)の免許証は認められません。国際免許を有していても、日本での運転が必ずしも認められているわけではないため注意が必要です(詳しくは警察庁「各国・地域の国際運転免許証」でご確認ください)。

加えて免許証が必要な自転車と、そうでない自転車についての説明もします。人の力だけで動く自転車や、電動アシスト自転車は免許証が必要ありませんが、電動モーターだけで進むペダル付き電動自転車は免許証が必要になります。

免許証なしで運転した場合の罰則について

免許証なしで運転して事故を起こした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されるおそれがあります。

また、事故を起こした(もしくは被害にあった)場合でも警察に通報する義務があります。軽い事故であれば通報しなくても良いと考えている外国人も少なくありませんので、日本では軽い事故でも警察に通報する義務があることを伝え、自分が悪くなくても警察に通報するよう伝えます。

自転車に乗る時に気をつけること

免許証が必要ない自転車でも、気を付けなければならないことがあります。以下の2つです。

a.自転車の防犯登録をすること
もし自転車が盗まれても、登録した番号から探してもらうことができます。自転車を購入したときに 600円前後で登録してもらえるので 案内される通りに登録しておくのを勧めます。

b. 自転車保険に入っておくこと
自転車損害賠償責任保険というもので、 加入しておくと交通事故に遭った時に お金を支払ってもらえるようになります。※2021年4月から義務化されたため、 必ず入っておきましょう。

母国と日本の交通ルールの違い

外国人の出身国では交通ルールの違いがあります。よくある違いは以下の通りです。

a. 車が左通行であること
当該外国人の母国の交通ルールと比較して伝えましょう。

b. 歩行者優先であること
事故のときに、ほとんどの場合「車が悪い」と判断されてしまいます。

c. 保険への加入を促すこと
任意の「自動車保険」への加入を最大限勧めておきます。

4.交通機関の利用方法等

電車、バス、新幹線等、交通機関の利用方法を伝えます。勤務場所・生活圏の交通機関、家から勤務先までの行き方・所要時間、切符やICカードの買い方などは事前に伝えておくと良いでしょう。

※以下は交通機関の乗り方について役立つサイトです。
けい太くんの電車の安全・マナー教室【電車の乗り方編】

5.生活ルール、マナー

以下の内容を外国人に説明します

ゴミの捨て方

勤務場所や居住地によって捨て方が違います、ごみの分け方、出し方 (→分別方法・ゴミ捨て場・収集日など) 当該外国人に合わせた内容を説明します。

生活のマナー

夜中(21時以降)に騒ぐ行為、窓を開けて騒ぐこと、空き地や畑に許可なしで入ること、他人の庭の物(果物など)を勝手にとることなどは行わないように外国人に説明します。

喫煙についてのマナー

日本では喫煙に一定の制限があり、たばこは喫煙所で吸うようにします。喫茶店や飲食店は基本的に「吸ってはいけない場所」です。分からない場合は店員に聞きましょう。

歩きタバコは日本でのマナーとして、してはいけない行為です。自治体によっては罰則があることもあります。

6.生活必需品等の購入方法等

生活必需品を買える場所や購入方法について説明します。具体的には以下の通りです。

コンビニ
24時間営業の店舗も多いが基本的に割高。 郵送が可能等、とにかく便利です。

スーパー マーケット
食べ物が多く、 比較的安く買えます。夕方はセールもあります。

ドラッグストア(薬局)
薬や化粧品が買えます。食料もありますが、特別安いわけではありません。

家電量販店
家電(冷蔵庫、 電子レンジ等)や 家具(本棚等)が買えます。

ディスカウントストア
ドン・キホーテなどです。ここに行けば基本的に何でも揃います。

7.気象・災害情報の入手方法等

説明すべき内容は以下の通りです。

日本の気候や災害について

日本は四季があり、台風、土砂崩れ、自身、津波等の災害が多いため、自然災害の種類や対応について外国人に説明します。

気象情報や災害情報の入手方法

気象情報や災害情報はホームページやアプリで入手できます。例えば「気象庁多言語ページ」「災害の時に役立つ情報 Q&Aマニュアル」などを利用すると良いでしょう。

8.我が国で違法となる行為の例

違法となる行為を説明します。具体的には以下の通りです。

銃・刀・剣などの所持

日本では、一般人は銃や刃物を正当な理由なく持つことができず、警察官など特別な人のみが所持できます。

違法薬物(大麻や覚せい剤など)の所持

大麻は「所持」も「栽培」も 禁止されています。また笑気ガスや覚醒剤も禁止です。その他も禁止されている薬物が多くあります。これらの薬物は母国では許されていても、日本で使用すると厳罰となることを説明します。

在留カードの不携帯・貸し借り

在留カードは身分証明として使用するため、常に携帯が必要です。酒やたばこを購入するときや職務質問されたときなど、必要になることが多いため、常に携帯し、なくさないようにします。

加えて、自分の在留カードを人に貸したり、人から借りたりすることは禁止です。

健康保険証の貸し借り

健康保険証は人に貸したり、人から借りたりすることは禁止です。これらの行為を行い警察に捕まったケースもあります。

「自分の名義」のものを、誰かに貸すこと

自分名義のもの(自分の名前を登録したもの)は人に貸してはいけません。「自分名義」のものというのは、銀行の口座、預金通帳や キャッシュカード、クレジットカード、携帯電話などです。

ATMで、他人名義の銀行からお金を出す

無許可で他人名義の口座を使うと犯罪になります。もし銀行のカードなどが落ちていたら近くの交番に行き、警察の人に渡します。

※在留カード、銀行口座の売買が多発しています。特に帰国間際の外国人に関しては注意しておきましょう。

他人の名前を使って、郵便物を受け取ったり、郵便配達の紙に名前を書くこと

「他の人の名前」を使って、郵便物を受け取ることは禁止です。自分の名前で届いた郵便物だけを受け取るようにします。また他人の名前を使って郵便配達の紙に名前を書くことや、他人のはんこを押すことも禁止です。

道に放置されている他人の自転車を使用すること

他の人の自転車やバイク、 車を使ってはいけないことを説明します。日本では、自転車1台ごとに使う人の名前が登録してあり、道に落ちている自転車などを 勝手に使った場合は窃盗になります。

まとめ

今回は以下の生活オリエンテーションで伝えるべき内容のうち、「①生活一般に関する事項」について解説しました。②〜⑥の内容は「特定技能の生活オリエンテーションの内容は?伝えるべきチェックリストを無料で公開!後編」でご覧になれます。

SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。

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※本記事は現時点(2023年9月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。

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