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【漁業】特定技能を自社支援で受け入れる方法を解説!

公開日: 最終更新日: PV:540

みなさんこんにちは、SMILEVISAです!

今回は、漁業分野において特定技能を自社支援で受け入れる方法を解説します。

特定技能の種類には1号と2号がありますが、漁業分野では1号の受け入れが可能です(2023年3月時点)。また、漁業分野の特定技能は「漁業」と「養殖業」に分かれて受け入れ、それぞれの専門的な業務を行います。

漁業は不規則な勤務体制になることがあり、人材不足に悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。一方で「外国人労働者を雇うにはどうしたらよいのか」「手続きが複雑でよくわからない」などの理由で受け入れを断念してしまうケースもあるでしょう。

上記の疑問を解消するために、実際に受け入れができる企業の条件や外国人が働くための条件など、漁業分野での特定技能の受け入れから働き方までのポイントをお伝えします。

漁業で特定技能外国人が従事できる業務

特定技能外国人の受け入れ可能な業種

特定技能外国人が従事できる業種には、船で漁に出て魚を漁獲する「漁業」と養殖したものを収穫する「養殖業」の業務があります。具体的には下記の業種があります。

漁業

1本釣り漁業、延縄漁業、イカ釣り漁業、定置網漁業、えび・かにかご漁業など

養殖業

ほたてがい養殖、かき養殖、海苔の養殖など

※漁獲したものを原料として製品を作る水産加工業は、飲食料品製造分野となるため、漁業分野の業種には該当しません。

特定技能外国人の受け入れ可能な業務

漁業では「年間を通して安定した生産が難しい」といった特徴があります。そのため漁獲作業をはじめ、機械の補修や安全面の対策などの幅広い業務に対応することが可能です。具体的には下記の業務があります。

漁業の場合

漁に使う道具の製作・補修・操作、水産動植物の探索・採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保など

養殖業の場合

養殖に使う機械の製作・補修・清掃・消毒、養殖に関する水産動植物の育成・収穫・管理・処理、安全衛生の確保など

漁業で関わらせることができない業務は?

特定技能外国人が関わることができない業務には下記の作業があります。

漁業の場合

船体の補修・清掃、漁船への道具・燃料・食材・日用品などの積み込みと積み下ろし、市場での漁獲物の選別・仕分け漁獲物の水揚げ、機械の点検・補修など

養殖業の場合

収穫物の梱包・出荷、鳥獣の駆除・防護ネットなどの食害防止対策など

※上記の作業には日本人が従事しますが、補助的な役割として特定技能外国人が業務に関わることは可能です。その一方で、特定技能外国人が日常的に上記の業務だけを行うことはできないので注意してください。

漁業で自社受け入れする企業が満たすべき要件

①漁業特定技能協議会の構成員になる

漁業分野で特定技能外国人を受け入れた場合、受け入れた日(入社日)から4か月以内に「漁業特定技能協議会」の1号構成員になる必要があります。協議会では、特定技能に関する情報の把握などの必要な協力を行います。

※派遣雇用形態の場合は、派遣先の漁業者において協議会への加入が必須となります。

入会方法

協議会への入会に必要な書類は下記のとおりです。

  • 漁業特定技能協議会1号構成員加入申請書(様式第1-1号)

※様式はこちらの水産庁HPよりダウンロードできます。

  • 特定技能雇用契約書
  • 雇用条件書
  • 1号特定技能外国人支援計画書

必要事項を記入し、所属する漁業協同組会や業種別団体などの2号構成員に提出してください。提出先の2号構成員には下記の団体があるので確認しておきましょう。(※下記は2023年3月現在のリストですが、随時更新されます)

引用:水産庁HP漁業特定技能協議会構成員一覧

雇用形態について

漁業分野では、直接雇用と派遣雇用での受け入れが可能です。

直接雇用とは?

漁業事業者が受け入れ先となり、その事業者で業務を行います。直接雇用の場合は、雇用期間の終了後に新たな契約と必要な変更許可を申請することで、別の漁業者での業務が可能となります。

派遣雇用とは?

漁業協同組合などが派遣事業者として特定技能外国人を受け入れ、実際の業務は派遣先で行います。派遣事業者に雇用されている特定技能外国人は、複数の漁業者のもとでの業務が可能です。

派遣元と同様に、派遣先においても労働基準や社会保険などの条件を満たしている必要があります。

※漁業分野では、労働時間や休憩・休日に関する労働基準法の適用外となっています。そのため長時間労働など勤務体制に問題はないか、適切な管理体制が重要となります。

漁業で外国人が特定技能資格を得るための要件

日本語要件

国際交流基金日本語基礎テスト(LFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)のN4以上に合格が条件です。

※第2号技能実習(どの分野でも可)を良好に終了した場合は、上記の日本語に関する試験が免除されます。

技能要件

漁業分野では、漁業技能測定試験に合格する必要があります。試験は「漁業」と「養殖業」に分かれ、それぞれの試験で「学科」と「実技」が実施されます。

試験の申し込みはこちらの一般社団法人「大日本水産会」HPから希望する申し込み先を選択してください。

※漁業の試験に合格していても養殖業に従事することはできません(逆も同じ)。

以下の第2号技能実習を良好に修了した場合は、漁業技能測定試験が免除されます。


漁業


漁船漁業職種9作業

かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業、棒受網漁業


養殖業


養殖漁業職種1作業


ほたてがい・まがき養殖作業

以上の技能実習の内容は、修了したことで即戦力になる経験があると認められますので試験免除の対象となります。

漁業技能測定試験の内容

漁業技能測定試験の内容は、それぞれの分野で下記のとおりとなっています。

漁業

学科…漁業一般、漁業安全、漁業専門(網・釣り)

実技…漁具・漁労設備の取り扱い方法、漁獲物の選別技能

養殖業

学科…養殖業一般、養殖業専門(給餌・無給餌)

実技…養殖水産動植物の育成管理方法、適切な取り扱い方法

学科試験は原則として真偽式で実施し、それぞれの分野に関する一般知識や安全衛生と日本語能力を判定します。

実技試験は、図やイラストから正しいものを選ぶ多肢選択式で実施します。

提出が必要な書類について

漁業分野では、受け入れ企業を管轄する地方出入国在留管理局宛てに下記の書類の提出が必要です。

共通で必要となる書類については基本的な流れはこちらの記事で解説しています。

そのほか、漁業分野で必要な書類としては下記があります。

受け入れ企業に関するもの

  • 漁業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第12-1号)

※分野参考様式はこちらの水産省HPからダウンロードできます。

  • 漁業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会の構成員であることを証明できる書類

以下のいずれか1つ

  • 受け入れ企業が農林水産大臣または都道府県知事の許可または免許を受けて漁業・養殖業を行っている場合は「許可証の写し」または「免許の写し」あるいは許可が確認できる公的書類の写し
  • 漁業協同組合に所属している場合は、漁業権の内容が確認できる書類の写し

漁船を使用している場合は、以下のいずれかの提出も必要です。

  • 漁船原簿謄本の写し
  • 漁船発録書の写し

※派遣雇用の場合は、派遣事業者が条件を満たしていることを証明する書類が別途必要です。

外国人本人に関するもの

  • 漁業特定技能試験の合格証明書の写し

※技能実習2号修了者は、漁船漁業技能評価試験(専門級)または養殖業技能評価試験(専門級)の合格証明書の写し

  • 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)の合格証明書の写し

※技能実習2号良好に終了した場合は免除となります。

漁業分野へ特定技能の受け入れを!自社支援で受け入れるために大切なこと

以上、漁業分野において特定技能を自社支援で受け入れる方法を解説しました。

人手不足に悩む企業も多い漁業では、特定技能外国人は心強い戦力となります。自社支援で受け入れるためには、雇用条件を理解して働きやすい労働環境を作ることが大切です。特定技能に必要な手続きと受け入れ体制が整えば、自社支援で安定した雇用が実現できるでしょう。

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※本記事は現時点(2023年3月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。

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