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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
人手不足の助けとなる特定技能外国人は、農業にとって大切な人材です。その一方で、初めての特定技能の受け入れには「手続きが難しそう」「自社支援を続けていけるのか」など、さまざまな不安があるかと思います。
今回は、農業分野において特定技能を自社支援で受け入れる際のポイントを解説します。現在、特定技能の種類は1号と2号がありますが、農業分野での受け入れは1号のみ可能となっています(2023年3月現在)。
受け入れるための企業の条件や手続き方法と併せて、実際に特定技能外国人にどのような仕事を任せることができるのか、業務内容についてもお伝えします。
農業で特定技能外国人が従事できる業務

農業分野では「耕種」と「畜産」の2つの分野に分けて受け入れを行い、それぞれの業種・業務に従事します。
- 耕種農業…田畑や農園などの施設で作物を育てる
- 畜産農業…牧場や畜産農家で牛・豚・鶏・馬などの家畜を飼育する
特定技能外国人の受け入れ可能な業種
耕種農業全般
耕種農業では、農作物に関わる下記の業種で従事できます。
- 果樹園
- 園芸施設
- 畑作農家
- 稲作農家など
畜産農業全般
畜産農業では、家畜の飼育に関わる下記の業種で従事できます。
- 牛・豚・鶏・馬の畜産農家
※馬の飼育に関しては、競馬や乗馬目的の場合は農業分野に該当しない可能性があります。事前に畜産局競馬監督課に問い合わせて確認しておきましょう。
- 牧場
- 養蜂場など
特定技能外国人ができる業務内容
耕種農業全般
耕種農業では、栽培管理・集出荷・選別などの業務に従事できます。具体的には下記の業務があります。
- 栽培管理
苗植え、温度・日光・水・肥料・土壌の管理、害虫・雑草の除去、摘果・摘花、枝の剪定など
- 集出荷
果樹・野菜・稲の収穫・貯蔵・出荷など
- 選別
収穫した農作物を品種・銘柄ごとに選別する
※従事するに当たっては、栽培管理の業務が含まれている必要があります。収穫や選別などの栽培管理に関わらない業務だけを行うことはできません。
畜産農業全般
畜産農業では、飼養管理・集出荷・選別などの業務に従事できます。具体的には下記の業務があります。
- 飼養管理
飼料の設計・餌やり、畜舎の温度管理、畜舎の清掃・消毒、哺乳・離乳の管理、搾乳、体温管理など
- 集出荷
生体、生乳、鶏卵の集出荷など
- 選別
収穫物を品種・銘柄ごとに選別する
※従事するに当たっては、飼養管理(動物に餌を与えて育てること)の業務が含まれている必要があります。出荷や選別などの飼育に関わらない業務だけを行うことはできません。
農業分野で関わらせることができない業務は?
特定技能外国人は、基本的には下記の業務に関わることはできません。
- ゴルフ場の芝刈りや樹木の手入れ
- 農畜産物の製造・加工
- 農畜産物の運搬
- 農畜産物の販売
- 冬場の除雪
※例外として、日本人が上記の業務に従事している場合に、特定技能外国人が補助的な役割で関わることは可能です。
※造園業は原則不可とされていますが、おもな業務が耕種農業全般であれば問題ありません。
農業で自社受け入れする企業が満たすべき要件
- 農業特定技能協議会に入会する
農業分野では、初めて特定技能を受け入れてから4か月以内に「農業特定技能協議会」への入会が必須となります(入会費用は不要)。
協議会では、問題発生時の対応や特定技能について受け入れ情報の把握など、活動を通して必要な協力を行います。
・入会方法
- 農林水産省HPから「協議会入会申請フォーム」にアクセスし、必要事項を入力する。
- 入力内容を確認後「送信確認」ボタンを押す。
- 入力したメールアドレスに「加入通知書」が送付されると入会完了(地域協議会にも同時に加入したことになります)。
メールアドレスに送られてきた加入通知書は2回目以降の受け入れに必要なので、紛失しないように管理しておきましょう。
※申請から2週間以上経っても加入通知書が届かない場合は、下記に問い合わせて確認してください。
【問い合わせ先】
農業特定技能協議会 経営局就農・女性課 TEL:03-6744-2159
- 労働者を継続雇用した経験がある
農業分野で自社受け入れをする場合は、過去5年以内に同一労働者を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験が必要です。
※同一労働者は技能実習生やアルバイト・パートでも可能です。
※短期のアルバート・パートを合計して6か月以上雇用した経験は認められません。

雇用形態について
農業では、次の3つの雇用形態での受け入れが可能です。
- 直接雇用(働く場所の事業者が直接受け入れる)
- 派遣(派遣事業者は農協・農協出資法人などの農業に関連した事業者とする)
※派遣事業者と実際に業務を行う派遣先の両方に事業主としての責任が発生します。
- 請負(JAなどが所属機関となり、組合員の農業者から事業を請け負う)
※受け入れ機関と各農業者のあいだで業務委託契約が必要です。
農業分野の特定技能外国人は日本人の農業従事者と同じように、労働基準法の規定が一部除外されています。つまり、労働時間や休憩・休日の決まりがないため、長時間労働にならないように事業者が責任をもって管理することが求められます。
農業で外国人が特定技能資格を得るための要件

農業分野で特定技能の資格を得るには「日本語」と「技能」に関する次の要件を満たす必要があります。
日本語要件
日本語要件を満たすには、日本語能力試験(JLPT)のN4以上又は国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格する必要があります。
※技能実習2号(農業以外の分野も可)を良好に終了した場合は日本語に関する試験が免除されます。
技能要件
農業分野では「農業技能測定試験」に合格する必要があり、試験は耕種農業と畜産農業のどちらかを選んで受験します。それぞれの試験に共通して「学科」と「実技」が実施され、併せて日本語の聞き取りテストが行われます。
一般社団法人全国農業会議所の農業技能測定試験公式HPより、予約受付サイトにアクセスして受験申請の手続きを行ってください(初回はIDの取得が必要です)。
※耕種農業または畜産農業の技能実習2号を良好に修了した外国人は、上記の試験が免除されます。
※耕種農業の試験に合格しても、畜産農業に従事することはできません(逆も同じ)。例外として耕種農業と畜産農業の複合経営の場合に、もう一方の農業分野に補助として関わることは可能です。
農業技能測定試験の内容
農業技能測定試験によって、農業に従事するうえで必要な技能があるかどうかを測定します。
試験時間は60分、70問程度が出題されます。具体的な試験内容は下記のとおりです。
・耕種農業全般
一般知識・安全衛生・稲作・畑作・野菜・施設園芸・果樹について
・畜産農業全般
一般知識・安全衛生・酪農・肉用牛・養豚・養鶏・軽種馬・養蜂について
・合格基準
全国農業会議所が定める判定基準点により合否が決定します。
※今年度の試験の詳細についてはこちらの全国農業会議所HPから確認してください。
提出が必要な書類について
基本的な流れはこちらの記事で解説しています。
農業分野の人材不足を解消!特定技能の自社支援での受け入れは可能です
以上、農業分野において特定技能を自社支援で受け入れる方法について解説しました。
特定技能外国人は農業に関するさまざまな業務に関わることができるため、人材不足に悩んでいる企業は積極的に受け入れを進めています。
受け入れ企業が満たすべき要件と受け入れる外国人に必要な要件を理解しておくことで、自社支援で受け入れたあとも安定した雇用が続けられるでしょう。
SMILEVISAでは書類の申請を効率化するシステムを提供しています。現在の煩わしい書類の作成にお困りの方や、特定技能外国人の受入れを自社で始めたいとお考えの受入れ企業様は、お気軽にご相談ください!

※本記事は現時点(2023年3月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。