目次
- 特定技能外国人が退職する主な理由とは?
- 特定技能外国人が退職した際には、「随時届出」が必要
- 特定技能外国人が自己都合で退職する場合の手続きと書類
- 特定技能外国人が会社都合で退職する場合の手続きと書類
- 特定技能外国人が会社都合で退職する際の注意点
- 特定技能外国人本人が行うべき退職手続きとは?
- 契約満了による退職時の扱いと必要な手続き
- 退職日まで14日以内の場合の手続き方法と注意点
- 特定技能外国人がけがや病気・死亡した場合の届出・対応方法
- 届出期限を過ぎてしまった場合の対応方法|入管への提出は可能?
- 退職後に届け出を行わなかった場合のリスクとペナルティ
- そのほかに日本人と同様に必要な手続き
- 特定技能外国人退職時は必ず「随時届け出」を忘れずに!
みなさんこんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。
特定技能外国人が退職するケースは珍しいことではなく、特定技能の上限年数に達してしまったり、何らかの個人的な事情で退職したり転職することは珍しくありません。
その際に、受け入れ企業は特定技能の退職について、出入国在留管理局へ報告する義務があります。これは随時報告となりますが、退職の方法や状況により提出する書類や流れが異なります。
今回の記事では、特定技能を受け入れている企業がするべき退職の手続きと届け出や注意点について詳しく解説しています。
特定技能外国人が退職する主な理由とは?

そもそも、今回の随時届け出に該当する退職とはどのようなものがあるのでしょうか?
出入国在留管理庁が定めている退職の理由としては以下の通りです。
- 特定技能外国人による自己都合
- 経営上の理由による退職(解雇)
- 特定技能所属機関が基準不適合となったとき
- 重責解雇
- 行方不明
- 特定技能外国人のケガや病気
- 特定技能外国人や経営者の死亡
ほとんどの退職はこれらのいずれかに当たりますが、中でも一番多いのが特定技能外国人の自己都合による退職です。
それでは実際に特定技能外国人が退職する際に、どのような流れで手続きや届け出を進めればよいのか、退職の理由ごとにご紹介します。

特定技能外国人が退職した際には、「随時届出」が必要
特定技能外国人が退職した場合、受け入れ企業による「随時届出」が出入国在留管理庁に義務付けられています。
随時届出とは?
「随時届出」は、特定技能外国人の雇用状況や契約内容に変更があった場合に、入管に届け出る制度です。退職、解雇、契約満了などで雇用契約が終了したときは、必ず届け出を行う必要があります。雇用契約の他にも、支援計画の変更や雇用条件の変更等でも必要です。
注意点として、随時届出は、受け入れ企業の責任において届け出が必要となります。外国人への支援を登録支援機関に委託している場合でも、登録支援機関に届出を委託することはできないため注意してください。
特定技能外国人が自己都合で退職する場合の手続きと書類

まず初めに、自己都合で退職する場合は職場で働いている特定技能外国人が、退職したいという旨を上司に伝えることが一般的です。自己都合退職の場合は手続きがシンプルとなり、下記の書類を外国人の自己都合の退職が発生した日から14日以内に提出して完了となります。
- 特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式3-1-2号)
※参考様式については出入国在留管理庁のこちらのページよりダウンロードできます
受け入れ困難にかかわる届出書(参考様式第3-4号)についても以前は提出が求められていましたが、2025年4月より自己都合による退職の場合は不要となりました。

特定技能外国人が会社都合で退職する場合の手続きと書類

会社の経営不振や、人員整理などで特定技能外国人を退職させる場合の手続きの流れについては下記の通りです。
STEP①退職させることが決まった時点から14日以内に、同様に以下の書類を提出します。
- 受け入れ困難にかかわる届出書(参考様式第3-4号)
- 受け入れ困難にとなるに至った経緯に係る説明書(参考様式5-11号)
STEP②その後、実際に退職した日から14日以内に下記の書類を提出して終了となります。
- 特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式3-1-2号)
※参考様式については出入国在留管理庁の出入国管理庁のホームページよりダウンロードできます
特定技能外国人が会社都合で退職する際の注意点

経営上の理由や、欠格事由にあたり特定技能の受け入れが出来なくなった場合は、そのまま特定技能外国人を退職させるのではなく、必要な支援を行うことが求められます。
会社都合で退職が決まった場合、まずは特定技能外国人が、特定技能としての活動(就労)を引き続き日本で継続したいかどうかの意思確認を行います。
活動継続の希望を持っている場合には、受け入れ企業側が退職者に対して責任をもってハローワークや民間の職業紹介会社の案内といった転職支援を行う義務があります。
また、特定技能外国人が特定技能雇用契約の終了前に帰国することになった場合も、外国人に意に反して特定技能の活動を中止して帰国する必要がないことを伝えましょう。
特定技能外国人の中には、会社を退職したら強制的に帰国しなければいけないと考えているケースもあるため、本人の意思を必ず確認し、説明をした上で意思確認を書面により行う必要があります。
特定技能の転職については下記の記事で詳しく解説しています。

特定技能外国人本人が行うべき退職手続きとは?
特定技能外国人は、所属機関との契約終了後14日以内に、契約終了の届出を入管に提出する必要があります。
所属機関に関する届出(参考様式1-4 契約の終了)の届出を忘れると、その後の在留資格の変更ができなくなることがありますので、注意してください。
契約満了による退職時の扱いと必要な手続き
これまで自己都合と会社都合で契約満了前に退社した場合の報告についてご紹介しましたが、契約満了で外国人が退社した場合について、下記の書類を提出する必要があります。
具体的には、こちらの書類の中のb終了の自由の01番、雇用契約の終期到来にチェックをすればOKです。

一度退職した特定技能外国人を同じ企業で再雇用する場合については、こちらで詳しく解説しています。
退職日まで14日以内の場合の手続き方法と注意点
もし、特定技能外国人が退職の申し出から実際の退職まで14日以内になってしまう場合は、下記の3点の書類をまとめて提出する必要があります。書類のダウンロードは出入国管理庁ホームページより可能です。
- 受け入れ困難にかかわる届出書(参考様式第3-4号)
- 受け入れ困難にとなるに至った経緯に係る説明書(参考様式5-11号)
- 特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式3-1-2号)
14日以内に申し出から退職につながる例としては会社都合のリストラや倒産などがあげられます。もしそうなってしまった場合は、すみやかに手続きを行い、特定技能外国人が希望する場合は、次の就職先を見つけられるようにサポートしましょう。
特定技能外国人がけがや病気・死亡した場合の届出・対応方法
受け入れ企業で就労している特定技能外国人が万が一、けがや病気などが理由で退職・死亡した場合については下記2点の書類を提出するとともに、労働基準監督署に届け出をする必要があります。
- 受け入れ困難にかかわる届出書(参考様式第3-4号)
- 受け入れ困難にとなるに至った経緯に係る説明書(参考様式5-11号)

届出期限を過ぎてしまった場合の対応方法|入管への提出は可能?
特定技能外国人が退職した際の随時届出については期限が14日以内と定められていますが、万が一期限が過ぎていても提出することは可能です。本来ならば退職したい申し出があった日から14日以内に提出に提出する必要がありますが、その場合は、届出が遅延した理由を説明する書類を必ず添付し、速やかに提出してください。
退職後に届け出を行わなかった場合のリスクとペナルティ
届出を行わなかった場合、一定期間、特定技能雇用契約の締結ができない場合があります。罰金や過料(出入国管理法第71条の4第1号または第77条の2)を科される可能性があります。
今後の受け入れにも影響してくるため、必ず定められた手続きを期限内に行うようにしましょう。
そのほかに日本人と同様に必要な手続き
特定技能外国人が退職した場合でも、日本人と同様に下記の事務手続きが必要となります。
1. 源泉徴収票の交付
最後の給与計算が完了した後に、源泉徴収票を作成・発行し、退職者へ交付します。
これは確定申告や再就職先での年末調整に必要となる重要書類のため、すみやかに発行しましょう。
2. 健康保険証の回収と社会保険の脱退手続き
退職日までに本人から健康保険証を回収し、速やかに社会保険の資格喪失届を提出して脱退手続きを行います。※家族分の保険証がある場合は、全て回収が必要です。
3. 住民税の未納分手続き
退職者に未払いの住民税がある場合、「給与所得者異動届出書」を退職者の住民登録先の自治体に提出します。その後、残額の住民税については、本人が個別に納付することになります。
4. 雇用保険の離職票の発行
退職後、会社は「雇用保険被保険者離職証明書」を作成し、ハローワークへ提出します。その後、ハローワークから発行された離職票を退職者へ郵送または手渡しします。こちらの手続きは失業保険の給付や転職活動に影響するため、速やかに行いましょう。
特定技能外国人退職時は必ず「随時届け出」を忘れずに!
以上、特定技能外国人が退職する際に行うべき手続きや書類、届け出についてご紹介しました。随時届け出をうっかり忘れてしまうと、今後の特定技能外国人の受け入れが難しくなってしまうこともあります。ついつい忘れがちな随時届け出は必ずポイントを押さえて行いましょう。
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※本記事は現時点(2025年5月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。