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【特定技能2号】工業製品製造業分野について要件や試験、実務経験などわかりやすく解説

公開日: 最終更新日: PV:2355
特定技能2号-工業製品製造業

目次

みなさんこんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。

工業製品製造業の特定技能2号は、「高度に専門的・技術的な業務」とされており、特定技能1号と比較して、高い技能が求められます。工業製品製造分野では、特定技能1号と2号の受け入れが可能となっており、年々増加傾向です。

これまで製造業は「素形材産業分野」「産業機械製造業分野」「電気・電子情報関連産業分野」とされていましたが、分野名を「工業製品製造業分野」へ変更され、より多様な業種・業務区分にて特定技能を受け入れる事ができるようになりました。

この記事では、工業製品製造業分野について、特定技能2号へどうやって要件や試験情報、注意点、移行方法など最新情報を解説していきます。

工業製品製造業分野の特定技能2号の人数の最新データ

出入国在留管理局が発表した最新のデータによると、令和7年1月末時点での特定技能2号在留外国人は1,047人となっており、その中で工業製品製造業に従事している外国人は122人に達しています。これは、特定技能2号の受け入れ人数が増加していることを示しています。

また、日本の工業製品製造業分野での人手不足解消に向けて重要な役割を果たしており、今後もさらなる増加が期待されます。

出典:出入国在留管理庁 特定技能2号外国人数 令和7年1月末

工業製品製造業分野の特定技能2号の業務内容は?

特定技能2号-工業製品製造業

工業製品製造業分野で特定技能2号で従事可能な業務は特定技能1号とどのような違いがあるのでしょうか?

工業製品製造業の特定技能2号の業務内容は以下の通りです。

(機械金属加工区分)

〈 分野、区分の概要 〉
   指導者の指示を理解し、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事する

〈 従事する主な業務 〉
鋳造 / 鍛造 / ダイカスト / 機械加工 / 金属プレス加工 / 鉄工 / 工場板金 /
仕上げ / プラスチック成形 / 機械検査 / 機械保全 / 電気機器組立て / 塗装 / 溶接 / 工業包装/ 強化プラスチック成形金属熱処理業

※黒字は新たに追加された業務

〈 想定される関連業務 〉
   当該業務区分に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
   想定される関連業務
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

(電気電子機器組立て区分)

〈 分野、区分の概要 〉
   指導者の指示を理解し、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事する

〈 従事する主な業務 〉
機械加工 / 仕上げ / プラスチック成形 / プリント配線板製造 /
電子機器組立て / 電気機器組立て / 機械検査 / 機械保全 / 工業包装 /
強化プラスチック成形

※黒字は新たに追加された業務

〈 想定される関連業務 〉
   当該業務区分に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
   想定される関連業務
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

(金属表面処理区分)

〈 分野、区分の概要 〉
   指導者の指示を理解し、表面処理等の作業に従事する

〈 従事する主な業務 〉
めっき / アルミニウム陽極酸化処理

〈 想定される関連業務 〉
   当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
   想定される関連業務
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

引用:出入国在留管理庁「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)」

どの業務においても作業ができるだけでなく、作業員の指導と工程を管理できる能力が必要になります。

特定技能の管理-自社支援

工業製品製造業分野の特定技能2号に移行するための要件

特定技能2号-工業製品製造業

工業製品製造業分野において、特定技能2号に移行するためには、次の2つが必要になります。

①試験への合格
③製造業での業務経験年数

スムーズに移行するためには、事前に何が必要かをしっかりと把握しておく必要があります。
必要な要件を詳しく解説していきます。

特定技能2号に移行するために必要な条件と試験は2パターン

工業製品製造業業分野において、特定技能1号から特定技能2号に移行するためには下記の試験に合格する2つのルートがあります。

(特定技能2号の要件)

製造分野特定技能2号評価試験ルート
条件:①~③のすべてを満たすこと

①ビジネス・キャリア検定3級の合格
②製造分野特定技能2号評価試験の合格
③日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験
ビジネス・キャリア検定は、以下のいずれかの区分の合格が必要

・生産管理プランニング
・生産管理オペレーション
技能検定ルート
条件:①と②を満たすこと

①技能検定1級の合格
②日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験
技能検定1級は、以下のいずれかの職種名の試験の合格が必要

鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装、金属熱処理

参考:特定技能外国人材制度 工業製品製造業分野 ポータルサイト 概要資料

①製造分野特定技能2号評価試験ルート

まず1つ目のパターンとして、「製造分野特定技能2号評価試験」+「ビジネス・キャリア検定3級」に合格し、日本国内に拠点を持つ企業の現場における3年以上の実務経験を有することです。

ビジネス・キャリア検定3級では、生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれかを合格する必要があります。また、製造分野特定技能2号評価試験は、機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれかに合格する必要があります。

②技能検定ルート

そして、2つ目のパターンとしては、「技能検定1級」に合格することです。このルートでも、3年以上の実務経験が必要となります。実務経験が評価の一環として重要視されるため、一定の経験を積んでおくことが不可欠です。

このように、製造分野における特定技能2号への移行に関しては、製造分野特定技能2号評価試験ルートと技能検定ルートの2つの方法があります。いづれも、日本国内に拠点を持つ企業の製造業で3年以上の実務経験が必要であることを理解しておくことが重要です。

工業製品製造業分野の特定技能2号評価試験の詳細は?

工業製品製造業分野において、特定技能1号から特定技能2号に移行するためには「製造分野特定技能2号評価試験」と「ビジネスキャリア検定3級」または「技能検定1級」の合格が必要とされています。

それぞれの試験の概要は下記の通りです。

「製造分野特定技能2号評価試験」

試験言語:日本語

実施主体:経済産業省が選定した機関

実施方法:コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

詳細・お申込みはこちらの経済産業省ホームページの特定技能外国人材制度ページよりご覧ください。

製造分野の特定技能2号試験についての詳細は下記の記事でもご紹介しています。

「ビジネス・キャリア検定3級」

試験言語:日本語

実施主体:中央職業能力開発協会

実施方法:マークシート方式

詳細・お申込みはこちらの経済産業省ホームページの特定技能外国人材制度ページよりご覧ください。

「技能検定1級」

実施言語:日本語

実施主体:都道府県(一部事務は都道府県職業能力開発協会)

実施方法:学科試験及び実技試験

詳細・お申込みはこちらの中央職業能力開発協会ホームページをご覧ください。

工業製品製造業分野の特定技能2号外国人に必要な要件

特定技能2号の在留資格を取得するために、外国人が満たす必要がある条件があります。それは以下の通りです。

1.18歳以上であること

日本の労働法では、時間外労働や休日勤務などに関する制限がなく働くことができるのは18歳以上と定められています。そのため、特定技能の在留資格で働く外国人についても、原則として18歳以上であることが求められており、入国予定日を基準に18歳以上である必要があります。

2.健康状態が良好であること

特定技能外国人が、特定技能に関する業務を安定して継続的に行うためには、健康であることが重要です。そのため、当該外国人には良好な健康状態であることが求められます。

3.従事する業務に必要な熟練した技術を有していること

「熟練した技術」については、試験やその他の評価方法によって証明する必要があります。特に、工業製品製造業分野で特定技能2号を取得する場合には、国内に拠点を持つ製造業企業で3年以上の実務経験を有していることに加え、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。


① 製造分野特定技能2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級の両方に合格すること
技能検定1級に合格していること

4.保険金の徴収や違約金契約をしていないこと

特定技能外国人やその親族等に対して、保証金の徴収や財産の管理、違約金契約の締結を強いることは認められていません。

5.費用負担に合意を得ていること

特定技能外国人が入国前や在留中に費用を負担する場合、本人が納得していないままお金を請求されることを防ぐために、費用の総額や内訳をしっかり理解し、本人の同意があることが求められます。

参考:特定技能外国人受入れに関する運用要領

工業製品製造業分野の特定技能2号へ移行するために必要な必要経験年数について

熟練した技能が求められる特定技能2号では、日本国内に拠点を持つ製造業の現場における、3年以上の実務経験が必要です。

「日本国内に拠点を持つ企業」については、日本国内に登記している本店又は主たる事務所等がある企業を指します。国外の企業についてはカウントされないので注意しましょう。

「製造業の現場における実務経験」についても、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、大分類E-製造業(ただし、「中分類09-食料品製造業」及び「中分類10-飲料・たばこ・飼料製造業」を除く。)に掲げるものを行っている事業所にて、製造品の加工等に従事した経験が必要です。

経験を積んだ企業においては、同じ企業である必要はなく、複数企業で業務をした場合でも実務経験としてカウントすることができます。また、特定技能だけではなく技能実習生として製造業で働いた経験があればそちらも含めることができます。

工業製品製造業分野の特定技能2号を申請する際に、工業製品製造業分野で必要な書類

出入国管理管理庁の公式サイトでは、すでに特定技能2号を申請するための必要書類が出入国在留管理庁ホームページにて公表されています。

すべての分野で共通する書類以外に、工業製品製造業分野では下記の書類の提出が必要です。申請する特定技能外国人が、AとBどちらに該当するかを確認し、場合に応じて、いずれかを選択しましょう。

A)製造分野特定技能2
号評価試験及びビジネ
ス・キャリア検定合格
者の場合
①製造分野特定技能2号評価試験の合格証明書写し
※希望する業務区分に応じたものに限る。

②ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニング又は生
産管理オペレーション)の合格証明書写し

③日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場において3年以上の実務経験に係る証明書
B)技能検定1級合格者の場合①技能検定1級の合格証明書の写し
※希望する業務区分に応じたものに限る。

②工業製品製造業分野の2号特定技能外国人に求められる実務経験に係る証明書(分野参考様式
第3-2号)

上記の書類に加え、下記の書類の提出も必須となります。

  • 工業製品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第3-1号)
  • 協議会の構成員であることの証明書

工業製品製造業分野においては、協議会への加入は受け入れ前に済ませておく必要があるため注意しましょう。詳しくは下記の記事にて解説しています。

工業製品製造業分野の特定技能2号受け入れの注意点

工業製品製造分野において特定技能2号を受け入れる際には、下記の点に注意しましょう。

協議会の加入完了まで2~3か月はかかるため早めに準備が必要

工業製品製造分野の協議会は、特定技能を受け入れる前に必ず必要な手続きとなります。すでに特定技能1号を受け入れており、加入を済ませている場合は問題ありませんが、そうでない場合は3か月程度かかりますので早めに申請を行うようにしましょう。

特定技能2号でも、出入国在留管理庁への届け出が必要

特定技能1号では出入国在留管理庁への届け出が定期的に発生しますが、特定技能2号については定期届出は必要ありません。しかしながら、出入国在留管理庁に対する退職などの随時の各種届出や、定期の「受入れ活動状況に係る届出」は、特定技能1号の際と同様に必要になるため、うっかり忘れないように注意が必要です。

特定技能1号で拡大された区分は、現時点では特定技能2号では受け入れ不可

特定技能1号で拡大された新区分については、2025年4月時点では特定技能2号での受け入れは不可となっています。

しかしながら、機械金属加工区分の強化プラスチック成形、金属熱処理(2024年度より追加)と電気電子機器組立て区分の、強化プラスチック成形(2024年度より追加)については、特定技能2号での受け入れ可となる見込みです。

参照 経済産業省 特定技能外国人材制度 工業製品製造業分野 

工業製品製造業分野の特定技能2号のよくある質問

特定技能の対象になっていない製造業(輸送用機械器具製造業など)での従事経験は実務経験の対象になりますか?

輸送用機械器具製造業など、特定技能の精度の対象になっていない従事経験も「製造業の現場における実務経験」に含まれます。

複数企業での実務経験を合算して3年以上となる場合は認められますか?

同一企業である必要はないため、認められます。製造業の分野における実務経験が合算して3年以上であれば要件を満たします。

技能実習生としての従事経験も実務経験の対象になりますか?また、技能実習1号の最初の管理団体による研修期間や、一時帰国していた期間も実務経験の年数に含まれますか?

技能実習生として「日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場」に従事していた期間も実務経験に含まれます。なお、業務に従事していない期間がある場合は、その期間を除いたうえで、通算して3年以上の就業期間が必要です。

特定技能2号において、関連する分野への異動は認められますか?

特定技能外国人と雇用契約を結んでいない関連会社や他の事務所への異動は認められていません。

工業製品製造業分野の特定技能2号に移行するために、今から準備をしていきましょう

新しく分野が拡大された工業製品製造分野の特定技能2号。今後活用していく企業も増えていくと期待されます。受入れ企業は新しい制度が開始されたときのために、特定技能1号からどのように移行できるのか必要条件や対応について考えておくことが大切です。

特定技能外国人にもメリットのある今回の改正内容を把握し、即戦力となる外国人労働者をサポートしていきましょう!

また、工業製品製造業分野に関するセミナーもオンデマンド形式でいつでもご覧いただけます。参加費無料・オンライン開催で全国どこでも参加が可能ですので、ぜひお申込みください!

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※本セミナーは、受入れ企業様を対象としたセミナーとなります。それ以外の方、競合他社様のお申し込みについてはご遠慮くださいませ。

SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。

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※本記事は現時点(2025年4月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。

監修:川村 敦
株式会社CROSLAN代表取締役/大阪府出身 神戸大学在学中にベトナムへ留学したことをきっかけに、日本で働く外国人の現実に衝撃を受ける。その後、エンジニアを経て外国人雇用に関するサービスを提供する株式会社CROSLANを2017年設立。特定技能外国人の管理委託や、管理クラウドサービス事業を通じて数多くの特定技能外国人のサポートを行ってきた実績の持ち主。趣味は世界遺産巡り。
       

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