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【外国人の介護就労資格】技能実習・特定技能・介護・EPAの違いとは?わかりやすく解説

公開日: 最終更新日: PV:3337

みなさんこんにちは、SMILEVISAです!

介護分野で外国人を受入れる介護就労資格には、技能実習・特定技能・介護・EPAと呼ばれる4つの資格があります。

特定技能2号の分野拡大のニュースが発表されましたが、そこに介護分野が含まれていない理由として、介護に対しては同じく実質無期限で働くことができる在留資格が存在するというのが大きいでしょう。

4つの介護就労資格には、外国人の能力や在留期間などのさまざまな違いがあるため、特徴を理解していないとスムーズな受入れができなくなってしまいます。

受入れ企業にとって最適な方法を選ぶために、今回は外国人の介護就労資格の違いをわかりやすく解説していきます!

技能実習・特定技能・介護・EPAの違いとは?

まずは下記に簡単に違いをまとめます。主に在留期間、業務の条件、家族帯同可否、資格の必要有無、必要な日本語要件において各資格で違いが出てきます。詳しい内容を一つ一つ説明していきます。

在留期間業務条件家族帯同介護福祉士の資格日本語要件
技能
実習
最長
5年
技能実習が2年目以降
技能実習生以外の介護職員が一緒に勤務すること
×不要N4
特定
技能
最長
5年
特になし×不要「介護日本語評価試験」
と、
「日本語能力試験(N4以上)」
または
「国際交流基金日本語基礎テスト」
介護制限なし特になし必要介護福祉士の国家試験合格
EPA原則
4年
雇用して6か月以上経過している
または
日本語能力試験のN1またはN2に合格していること
不要国籍により
N5~N3

外国人の介護就労資格である技能実習・特定技能・介護・EPAの受入れの仕組みは、下記の図のようになっています。

【引用】厚生労働省|外国人介護人材受入れの仕組み

4つの介護就労資格のうち、EPAでは国籍がベトナム、フィリピン、インドネシアにの制限されているのに注意してください。大前提として4つの資格がつくられた目的や、受入れ企業が知っておくべき仕組みの違いを解説していきます。

介護資格の目的

介護就労資格の目的の大きな違いは「外国人を労働力として受入れるかどうか」という点です。人材不足に対応するため、労働力としての受入れを目的とした資格は「特定技能」「介護」です。

一方で「技能実習」と「EPA」は労働力不足のためではなく、介護の技術を学ぶことで外国人が自国の経済発展や技術者の育成を目指す資格です。

詳しくまとめると、4つの介護就労資格の目的は次のように決められています。

技能実習発展途上国などの外国人が自分の国へ知識や技術を伝えることで、その国の人づくりに協力するという国際貢献を目的とする。
特定技能介護の専門知識・技術をもつ外国人を受入れ、日本の人材不足に悩む業種の安定と発展を目的とする。
介護高齢化が進むなかで質の高い介護が求められていることに加えて、介護福祉士の資格を取得した外国人の就業支援を目的とする。
EPAインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国からEPA(経済連携協定)に基づき特例的に外国人を受入れ、それぞれの国と日本の経済連携を強化することを目的とする。

このように、同じ介護の資格であってもそれぞれ目的が異なることがわかります。

それぞれの在留期間は?

外国人の介護就労資格で期限なく働くことができる在留資格は「介護」です。在留期間の更新回数に制限はなく、外国人が希望すれば日本の介護現場で働き続けることができます。

一方で「介護」以外の3つの介護就労資格については、次のように在留期間が決められています。

技能実習最長5年。在留資格を「特定技能」に変更することで、最大10年間在留可。
特定技能最長5年。介護福祉士の国家資格を取得し、在留資格を「介護」に変更することで永続的に在留可。
介護特に制限なし
EPA原則4年。※4年目に受験する介護福祉士国家試験に不合格の場合は、1年間の在留延長が可能です(合格の場合は在留資格を「介護」に変更することで永続的に在留できます)。また、特定技能への切り替えも可能です。

外国人の業務内容の制限

外国人が業務の成約を受けることなく働ける(つまり日本人と同様の就労範囲となる)介護就労資格は「介護」です。技能実習・特定技能・EPAでは、訪問介護サービス系の仕事につくことはできません。(※EPAは介護福祉士の資格取得後、条件を満たせば可能です)

介護分野では、多くがシフト制となっており、夜間の勤務に関わる業務も多くなります。夜勤時間帯の勤務については、技能実習・特定技能・介護・EPAのすべての資格で可能です。しかし、「技能実習」と「EPA(※介護福祉士の資格取得前)」では、次の条件を満たさなければなりません。

技能実習技能実習が2年目以降であり、技能実習生以外の介護職員が一緒に勤務すること。
特定技能特に制限なし
介護特に制限なし
EPA雇用して6か月以上経過しているもしくは、日本語能力試験のN1またはN2に合格していること。

※N1~N5と呼ばれる日本語能力認定の目安については、下記のURLから確認できます。

日本語能力試験公式HP https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

外国人の家族も日本に滞在可能な資格は?

介護就労資格で外国人の家族(配偶者・子)が一緒に滞在できる資格は「介護」と「EPA」です。技能実習と特定技能では、家族の滞在が認められていません。

雇用する外国人の満たすべき条件は?

介護就労資格を取得するには、それぞれの資格において外国人が次の条件を満たしていなければなりません。

  • 技能実習

技能実習制度本体の条件に加えて、日本語能力がN4以上である(N3が望ましい水準)。

※技能実習制度本体の条件については下記のURLから確認できます。

厚生労働省|外国人技能実習制度について

  • 特定技能

特定技能として介護分野で在留資格を申請する場合は、様々なルートがあります。

詳細については、こちらの記事(【2023年最新版】介護分野で特定技能を雇用する方法をわかりやすく解説!自社支援で受け入れる方法も)で詳しく解説しています。

  • 介護

技能実習などによる3年以上の実務経験と実務者研修を受講したのち、介護福祉士の国家試験に合格している。

  • EPA

母国での看護系学校の卒業または、母国の政府による介護福祉士の認定を受けている。もしくは、入国時の日本語能力についてインドネシアはN4、フィリピンはN5、ベトナムはN3以上である。

雇用する外国人に介護福祉士の資格は必要?

外国人が介護就労資格の「介護」を取得するには、介護福祉士の国家資格が必要です。

「技能実習・特定技能・EPA」の3つの介護就労資格は、介護福祉士の資格がなくても取得できます。

ただし、EPAは介護福祉士国家試験の合格を目指すことを前提とした資格です。また、技能実習と特定技能は、実務経験が3年以上かつ実務者研修を受講することで介護福祉士国家試験を受験することができます。

それぞれの外国人に支払う給与の条件は?

「特定技能・介護・EPA」の外国人に支払う給与は、日本人が同等の業務内容で働く場合の給与と同額以上でなければいけません。

基準の日本人労働者がいない場合は、外国人の業務内容に対する責任の程度が一番近い業務を担当する日本人労働者と比べて判断します。

一方で「技能実習」の資格では、法律で決められた最低賃金以上・日本人と同等と決められています。

最低賃金には、

  1. 地域別最低賃金(都道府県ごとに決められている最低賃金)
  2. 特定(産業別)最低賃金(分野ごとに決められている最低賃金)

の2つがあり、受入れ企業はどちらか高い方の最低賃金以上を支払わなければなりません。

転職はできる?

介護、EPAでは転職が可能となっており、特定技能では、転職先と同じ職種であれば転職が可能です。
技能実習では転職は原則認められていませんでしたが、今後は新制度移行に伴い、在職1年以上、基礎的な技能・日本語能力などの条件を満たせば転職が可能になる見込みです。

新制度である育成就労制度についてはこちらの記事を参考にしてください。

外国人の受入れの流れ

技能実習・特定技能・介護・EPAの介護就労資格は、受入れ方法にも大きな違いがあります。それぞれの資格の特徴を知ることで、4つの介護就労資格の違いがより理解できます。

  • 技能実習

技能実習の受入れ方法には「企業単独型」と「団体監理型」と呼ばれる2パターンがあります。

  1. 企業単独型とは…受入れ企業が海外の取引先などの企業から実習生候補の職員を受入れる方法
  2. 団体監理型とは…事業協同組合や商工会などの監理団体が技能実習生を受入れ、傘下の企業で実習を行う方法

詳細については、こちらの記事(技能実習制度とは?制度の概要や疑問点をわかりやすく紹介!)で解説しています。

  • 特定技能

受入れ企業は介護分野の特定技能協議会とよばれる機関に入会し、外国人に対して出入国在留管理庁より定められた内容の支援が義務となります。

  • 介護

介護の専門知識と技術をもった外国人を受入れます。

在留資格「介護」での受入れには、次の2パターンがあります。

  1. 外国人が在留資格「留学」として入国し、介護福祉士養成施設で2年以上修学し、介護福祉士の国家試験を受験する。
  2. 外国人が技能実習生または特定技能外国人として入国し、介護施設などで3年以上の就労・研修を行ったのちに介護福祉士の国家試験を受験する。

外国人は「留学」などの別の在留資格で入国し、国家試験に合格・介護福祉士になることで在留資格「介護」を取得できます。

  • EPA

「特定活動」と呼ばれるEPAの受入れには、次の2パターンがあります。

  1. 就労コース…介護福祉士候補として、介護施設などで3年以上の就労・研修を行い介護福祉士国家試験の合格を目指す
  2. 就学コース(フィリピン・ベトナムのみ)…介護福祉士養成施設で2年以上の研修を行い試験の合格を目指す

外国人は介護施設で働きながら、介護福祉士国家試験の合格を目指すことができます。

特定活動については、こちらの記事(【特定技能】在留資格「特定活動」とは?実例をもとに詳しく解説します)で詳しく解説しています。

介護就労資格ごとの受入れ状況は?

4つの介護就労資格では実際にどれだけの外国人が在留しているのか、受入れ状況の違いについても確認しておきましょう。

  • 技能実習

令和4年末時点で、技能実習の介護分野にて働く外国人は14,228人となっています。

詳しい内容については、こちらから確認できます。

出入国在留管理庁|職種・作業別 在留資格「技能実習」に係る在留者数

  • 特定技能

令和5年6月時点で、特定技能で働く外国人は21,915人となっています。

【引用】出入国在留管理庁|特定技能在留外国人数の公表

  • 介護

令和4年6月時点で、介護の資格で働く外国人は5,339人となっています。詳しい資料はこちらから確認できます。

出入国在留管理庁|在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表

  • EPA

令和3年度時点で、EPAの資格で働く外国人は介護業種だけで6,000人を超えています。

グラフ, 棒グラフ

自動的に生成された説明

【引用】厚生労働省|経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ概要

今後も介護分野における需要が高まっていく傾向にあるため、日本で働く外国人も増加傾向にあると言えるでしょう。

特定技能の外国人在留数などの詳細なデータについては、こちらの記事(【最新版】日本にいる特定技能在留外国人数はどのくらい?分野別や地域別に紹介します【2023】)でもまとめています。

介護分野の外国人受入れで注意することは?

介護就労資格によって、受入れる外国人の日本語能力や介護技術は違います。まずは、外国人に職場のルールをしっかりと伝えて仕事の進め方について理解してもらいましょう。

介護は一人で行うものではなく、入居者や従業員同士のコミュニケーションも重要です。外国人と必要なコミュニケーションをとるために、日本人職員に外国人の文化や宗教などの介護以外の情報も伝えておきましょう。

介護就労資格の違いを理解して外国人を受入れましょう!

以上、外国人の介護就労資格「技能実習・特定技能・介護・EPA」の違いについて解説しました。

国によって介護への取り組みは違いますが、高齢化が進む日本の介護技術は文化の違う国でも生かされていく技術です。

4つの介護就労資格の特徴や受入れ方法を理解することで、受入れ企業は外国人をどのような方法で受入れるべきか、選択しやすくなるのではないでしょうか。

受入れ企業は雇用する外国人にあわせて必要なサポート体制を準備しておきましょう!

SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。

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※本記事は現時点(2024年1月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。

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