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こんにちは!SMILEVISAです。
今回は素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野において特定技能を受け入れる方法について解説していきます。この分野は令和4年5月25日に以前までの製造3分野が統合されてできたばかりの分野でしたが。※ 令和6年3月の発表により今後は「工業製品製造業分野」と名称が変更予定です
特定技能製造3分野の統合で変わった点について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
※この記事は「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」に特有の要件について解説した記事になります。特定技能を受け入れる際の全体の流れについて知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。今回解説した要件をきちんと満たしつつ、以下の記事の内容に沿って受け入れ申請を行うことで素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野における受け入れが可能になります。
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で特定技能を受け入れる企業が満たすべき要件
①事業所が日本標準産業分類に該当していること
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で特定技能外国人を受け入れるためには、特定技能外国人を受け入れる事業所が対象の産業を営んでいる必要があります。具体的には、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、以下のいずれかに該当している必要があります。
一 細分類 2194-鋳型製造業(中子を含む。)
二 小分類225-鉄素形材製造業
三 小分類235-非鉄金属素形材製造業
四 細分類2422-機械刃物製造業
五 細分類2424-作業工具製造業
六 細分類2431-配管工事用附属品製造業(バルブ、コックを除く。)
七 小分類245-金属素形材製品製造業
八 細分類2462-溶融めっき業(表面処理鋼材製造業を除く。)
九 細分類2464-電気めっき業(表面処理鋼材製造業を除く。)
十 細分類2465-金属熱処理業
十一 細分類2469-その他の金属表面処理業(ただし、アルミニウム陽極酸化処理業に限る。)
十二 小分類248-ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
十三 中分類25-はん用機械器具製造業(ただし、細分類2591-消火器具・消火装置製造業を除く。)
十四 中分類26-生産用機械器具製造業
十五 中分類27-業務用機械器具製造業(ただし、小分類274-医療用機械器具・医療用品製造業及び小分類276-武器製造業を除く。)
十六 中分類28-電子部品・デバイス・電子回路製造業
十七 中分類29-電気機械器具製造業(ただし、細分類2922-内燃機関電装品製造業を除く。)
十八 中分類30-情報通信機械器具製造業
十九 細分類3295-工業用模型製造業
法務省・経済産業省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野の基準について-」
②製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に入会すること
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で初めて特定技能外国人を受け入れる場合、外国人の在留資格を申請する前に製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に入会することが要件となっています。
受入れ協議・連絡会の目的
構成員が相互の連絡を図り
・外国人材の適正な受入れ、保護を行うこと
・連携の緊密化を図ること
入会方法
こちらのページの案内に沿って入会申請を行います。入会申請後に経済産業省による審査が行われ、約2ヶ月後に入会受理のメールが届きます。
③経済産業省や協議会に対し必要な協力を行うこと
経済産業省や協議会が行う、一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、意見の報告、現地調査などに対し、必要な協力を行うことが求められます。
④派遣による雇用形態ではないこと
工業製品製造業分野では、派遣された特定技能外国人を受け入れることや、外国人の派遣を行うことが禁止されています。
※以上の4つは、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」において受け入れるための条件です。他にも受け入れ企業としての要件や、自社支援での受け入れをする場合に必要となる要件も存在します。詳しくはこちらの記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
・特定技能を自社支援で受け入れる完全マニュアル
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で外国人が特定技能資格を得るための要件
外国人が素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で特定技能資格を得るためには、「日本語要件」と外国人が従事する職種において「技能要件」の2つを満たす必要があります。
それぞれの要件について、以下で詳しく解説します。
日本語要件
日本語要件を満たすには、日本語能力試験への合格(JLPT(N4以上)又はJFT-Basic)への合格が必要です。もしくは技能実習2号の修了をすることで上記試験を免除できます。
別分野で技能実習を終了した場合でも、技能要件は満たしたことになります。例えば建設分野の技能実習2号を修了した外国人が、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で特定技能取得を目指す場合でも、日本語要件はすでに満たしているとみなされます。
技能要件
技能要件を満たすには、外国人が従事する職種において「技能試験に合格する」か「該当の業務区分で技能実習2号を修了する」の2つの方法があります。
技能試験
それぞれの分野において外国人が担当できる業務区分があり、その中から外国人が従事する業務において試験合格が求められます。技能試験の試験区分は以下の通りです。
機械金属加工区分
- 製造分野特定技能1号評価試験(鋳造)
- 製造分野特定技能1号評価試験(鍛造)
- 製造分野特定技能1号評価試験(ダイカスト)
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械加工)
- 製造分野特定技能1号評価試験(金属プレス加工)
- 製造分野特定技能1号評価試験(鉄工)
- 製造分野特定技能1号評価試験(工場板金)
- 製造分野特定技能1号評価試験(仕上げ)
- 製造分野特定技能1号評価試験(プラスチック成形)
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械検査)
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械保全)
- 製造分野特定技能1号評価試験(電気機器組立て)
- 製造分野特定技能1号評価試験(塗装)
- 製造分野特定技能1号評価試験(溶接)
- 製造分野特定技能1号評価試験(工業包装)
電気電子機器組立て区分
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械加工)
- 製造分野特定技能1号評価試験(仕上げ)
- 製造分野特定技能1号評価試験(プラスチック成形)
- 製造分野特定技能1号評価試験(プリント配線板製造)
- 製造分野特定技能1号評価試験(電子機器組立て)
- 製造分野特定技能1号評価試験(電気機器組立て)
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械検査)
- 製造分野特定技能1号評価試験(機械保全)
- 製造分野特定技能1号評価試験(工業包装)
金属表面処理区分
- 製造分野特定技能1号評価試験(めっき)
- 製造分野特定技能1号評価試験(アルミニウム陽極酸化処理)
該当の業務区分で技能実習2号の修了
技能試験に合格する他に、外国人が従事する業務区分において技能実習に合格する方法でも技能要件を得ることができます。特定技能における業務区分と、修了することで試験免除となる技能実習2号の区分は以下の通りです。
なお、一つの業務区分において複数の作業があるケースは、そのうちのどれか一つでも満たせば、特定技能における業務を担当できます。例えば鋳造の業務区分では、試験免除となる技能実習2号の作業には鋳鉄鋳物鋳造と非鉄金属鋳物鋳造がありまずが、このどちらか一方を満たせば、特定技能における鋳造業務を担当することが可能になります。
機械金属加工
特定技能の業務区分 | 試験免除となる技能実習2号の作業 |
鋳造 | 鋳鉄鋳物鋳造 非鉄金属鋳物鋳造 |
鍛造 | ハンマ型鍛造 プレス型鍛造 |
ダイカスト | ホットチャンバダイカスト コールドチャンバダイカスト |
機械加工 | 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ |
金属プレス加工 | 金属プレス |
鉄工 | 構造物鉄工 |
工場板金 | 機械板金 |
仕上げ | 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立仕上げ |
プラスチック成形 | 圧縮成形 射出成形 インフレーション成形 ブロー成形 |
機械検査 | 機械検査 |
機械保全 | 機械保全 |
電気機器組立て | 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製作 |
塗装 | 建築塗装 金属塗装 鋼橋塗装 噴霧塗装 |
溶接 | 手溶接 半自動溶接 |
工業包装 | 工業包装 |
電気電子機器組み立て
特定技能の職種 | 試験免除となる技能実習2号の作業 |
機械加工 | 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ |
仕上げ | 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立仕上げ |
プラスチック成形 | 圧縮成形 射出成形 インフレーション成形 ブロー成形 |
プリント配線板製造 | プリント配線板設計 プリント配線板製造 |
電子機器組立て | 電子機器組立て |
電気機器組立て | 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製作 |
機械検査 | 機械検査 |
機械保全 | 機械系保全 |
工業包装 | 工業包装 |
金属表面処理
特定技能の職種 | 試験免除となる技能実習2号の作業 |
めっき | 電気めっき 溶融亜鉛めっき |
アルミニウム陽極酸 化処理 | 陽極酸化処理 |
製造分野特定技能1号評価試験の内容
既述ですが、外国人が特定技能資格を得るためには、製造分野特定技能1号評価試験への合格か、該当職種における技能実習2号の修了することが必要になります。
それでは製造分野特定技能1号評価試験は具体的にどのような試験なのでしょうか。詳しい内容について以下で解説していきます。
実施言語
試験実施国の現地語が用いられます。
受験地とスケジュールについてはこちらからご覧いただけます。
実施方式
学科試験、実技試験の2区分があり、基本的にはどちらもコンピューターベースドテスティング(CBT)方式、ペーパーテスト方式で行われます。
加えて溶接の分野では製作作業も評価されます。(溶接:手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接作業はJIS Z 3841に基づいて判定されるとのことです)
試験区分
19試験区分(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、溶接、工業包装)
合格基準
- 学科試験:65%以上
- 製作等作業試験方式を採用する試験区分(溶接):判定方法は各々の試験区分により設定
(溶接:手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接作業はJIS Z 3841に基づいて判定)
試験結果の通知
試験後3カ月以内に受験者全員に結果通知をEメールで送付されます。
試験対策
こちらからサンプル問題や試験の概要をご覧いただけます。
試験の申し込み
こちらから受験地を選び、お申し込みができます。
試験についてお問合せ先
試験の不明点についてはこちらからお問い合わせができます。
特定技能を受け入れるために、受入企業が行う手続き
特定技能を受け入れるための具体的な手続きについては以下の記事で詳しく解説しています。今回解説した要件をきちんと満たしつつ、以下の記事の内容に沿って受け入れ申請を行うことで「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」における受け入れが可能になります。
まとめ
今回は「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」において特定技能を受け入れる方法について解説しました。特定技能関連の手続きでは確認しなければならない要件や提出すべき書類が多くあり、受け入れのたびに業務を行うと考えると膨大な時間がかかってしまいます。
SMILEVISAを使うと質問に答えていくだけで受け入れ要件を自動判定、さらには入管に提出すべき書類もサクサク作成できます。貴社の業務コスト、委託コストを大幅に削減できる可能性があるため、ご興味がある方はこちらからお問い合わせください。
※本記事は現時点(2024年4月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。