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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
特定技能とは、人手不足解消のために専門的な技術を持った外国人を受け入れていく制度であり、1号と2号の2種類に分けられています。
即戦力となる特定技能外国人は、今後も受け入れたいと考える企業が増えていくことが考えられます。しかし、受入れ企業は特定技能1号と2号をどのように選ぶべきなのでしょうか。
特定技能1号と2号を選ぶ際には、違いを理解したうえで、どのように受入れ計画を進めていくのか見通しを持って考えることが大切です。
そこで今回は、特定技能1号と2号の違いは何か、どう選ぶべきなのかを詳しく解説していきます。
特定技能1号と2号の違いは?わかりやすく解説
特定技能1号と2号には、以下の8つの違いがあります。
- 出入国在留管理庁が定めた人材像
- 特定技能として在留できる期間
- 技能の習熟度
- 日本語能力の有無
- 家族の帯同の可否
- 支援が必要かどうか
- 受入れできる分野
- 試験の難易度
- 実務経験の有無
8つの違いについてわかりやすくまとめた表は下記の通りです。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
出入国在留管理庁が定めた技能水準 | 特定の産業分野で、相当程度の知識または経験を必要とする業務について働く人材。 ただちに一定程度の業務ができる水準。特定技能1号評価試験の合格が条件。 ※技能実習2号を修了した外国人は試験が免除される。 | 特定の産業分野で、熟練した技能が必要な業務について働く人材。 特定技能2号評価試験の合格、もしくは技能検定1級の取得が条件 監督・指導者として一定の実務経験が求められる ※分野によりますが、基本的に2年以上の実務経験が必要。 |
在留期間 | 1年、6か月または4か月ごとの更新により、最長5年間。 | 3年、1年または6か月ごとの更新により、無制限で在留可能。 また、特定技能2号を取得してから10年以上在留することで、永住権を取得できる可能性もあり。 |
日本語能力の水準は? | 「国際交流基金日本語基礎テスト」もしくは「日本語能力試験(N4以上)」 そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準。 ※技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除される。 | 特になし。 ※外食と漁業分野のみN3以上が必要 |
家族の帯同はできる? | 基本的に認められていない。 | 要件を満たせば可能。 ただし、帯同者は配偶者と子に限る。 ※兄弟や親の帯同は認められていない。 |
受入れ企業または登録支援機関の支援は必要? | 出入国在留管理庁へ支援計画を提出のうえ、支援が必要。 | 受入れ企業や登録支援機関の支援は不要。 |
受け入れできる分野は? | 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業 ※令和6年5月現在 | ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 ※令和6年5月現在 ※造船・舶用工業分野は溶接区分以外の業務区分が対象。 ※介護は専門の在留資格「介護」があるため対象外。 |
試験の難易度 | 比較的易しい | 比較的高い |
実務経験の有無 | 問われない | 現場での管理経験が問われる |
それでは特定技能1号と2号それぞれの特徴から、違いを詳しく見ていきましょう。
出入国在留管理庁が定めた技能水準
特定技能1号に関しては、出入国在留管理庁の特定技能運用要領より「従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。」と記載されています。
一方特定技能2号に関しては、「従事しようとする業務に必要な熟練した技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。」と記載されています。
つまり、特定技能1号に関しては業務に必要な知識や経験があればOKですが、特定技能2号については熟練した技能が必要となるため、管理的な業務を行うことが想定されています。
特定技能1号の在留資格を申請するためには、特定技能1号評価試験の合格もしくは技能実習2号を良好に修了する必要があります。
特定技能2号においては、特定技能2号評価試験の合格、もしくは技能検定1級の取得が条件となっており、管理者、監督、指導者として一定の実務経験が求められています。分野にもよりますが、基本的に2年以上の実務経験が必要とされるため、ハードルは高いと言えるでしょう。
特定技能2号への移行要件については下記の記事でまとめています。
特定技能として在留できる期間
特定技能1号に関しては在留期間が5年と定められており、5年を超えて日本へ在留することはできません。しかし、特定技能2号に関しては、更新さえすれば実質、無期限で在留資格を延長することが可能です。
いずれも在留資格の更新は定期的にありますが、特定技能2号に関しては更新を続ける限り日本に滞在することができ、かつ永住権の申請も可能になってくることから、日本人と同様に長期的に企業で働いてもらうことができます。
永住権についての詳細は、こちらの記事にて紹介しています。
日本語能力の有無
特定技能1号は、「国際交流基金日本語基礎テスト」もしくは「日本語能力試験(N4以上)」 そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と定められています。また、技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。
N4の日本語能力がどの程度であるかについては、日本語能力試験(JLPT)の公式サイトにて下記の通り記載されています。
基本的な日本語を理解することができる
読む(よむ)
・基本的な語彙や漢字を使って書かかれた日常生活の中なかでも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。
聞く(きく)
・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。
つまり、特定技能1号においては日常生活や現場である程度日本語のやりとりができればOKという基準になります。
一方、特定技能2号には日本語能力についての定めは外食と漁業分野以外には特にありません。この2つの分野に関しては、外食は接客中に日本語を使用する機会が多いことや、漁業に関しては安全上の問題から適切に日本語でのコミュニケーションをとる必要があるため、N3以上が求められています。
しかしながら、特定技能2号外国人に関しては日本での滞在歴が長いことや、管理や監督経験が求められることから、全分野において相当の日本語能力があるものとみなされています。
家族の帯同の可否
家族を日本に呼び寄せる場合は、特定技能1号については基本的には不可とされています。しかし、特定技能2号に関しては、要件を満たせば可能とされています。
注意点としては、帯同者は配偶者と子に限ります。本国の兄弟や親の帯同は認められていないません。
支援が必要かどうか
特定技能1号を受け入れる際には、「支援計画書」を作成し、出入国在留管理庁へ提出、受け入れ後は企業が外国人の支援を行う必要があります。そのため、特定技能1号外国人の受け入れ企業は自社支援で外国人を支援するか、もしくは登録支援機関等へ支援を委託する必要がありました。
しかし、特定技能2号外国人に関しては、支援は不要とされています。これは特定技能2号外国人がすでに日本滞在が長期にわたることを想定し、特に生活するうえでサポートが必要ではないとされているためです。
とはいえ日本での仕事や生活で困ったことやサポートが必要な場合は出てくる可能性はあるため、その際は受け入れ企業が適切な支援をすることが想定されますが、特定技能1号のように支援計画を提出したり、支援が義務であることはなくなります。
特定技能1号は支援が義務であったため、支援業務を管理団体へ委託している場合は費用がかかりますが、特定技能2号に関しては不要となります。しかし、特定技能1号に関しても自社で支援を行っている場合は費用がかかりません。
自社支援についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
受入れできる分野
特定技能1号の受け入れ分野に関しては下記の16分野です。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空、
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車運送業
- 鉄道
- 林業
- 木材産業
※令和6年5月現在
2024年には新たに自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4つが追加されたため、多くの分野にて特定技能1号外国人が増加する見込みです。
特定技能2号の分野に関しては以下の11分野です。
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
※令和6年5月現在
このうち、造船・舶用工業分野は溶接区分以外の業務区分が対象となり、特定技能1号にあった介護は専門の在留資格「介護」があるため対象外とされています。
今後、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4つが追加されるかどうかについてはまだ未定となっています。将来的に追加される可能性もあるため、今のうちから特定技能1号の受け入れ態勢を整えておくことが必要でしょう。
試験の難易度
試験の難易度に関しては、出入国在留管理庁が技能や経験、知識などを定めている通り、特定技能1号より特定技能2号の方がハードルが高くなります。
特定技能1号から特定技能2号へ移行したい場合は、余裕をもって試験を受け、早めに合格を目指すようにしましょう。特定技能2号の試験については下記の記事でまとめています。
実務経験の有無
特定技能1号と2号についての大きな違いとして、実務経験の有無があります。
特定技能1号については特に実務経験は必要なく、試験に合格するか技能実習2号を良好に終了すれば申請ができますが、特定技能2号についてはそれぞれの分野での実務経験が必要です。
基本的には管理や管理補助、監督などマネジメントができるレベル・ポジションである、もしくは高い技術があることが求められています。そのため、外国人の実務経験を記載する実務経験証明書の記入があります。
しかし、現時点で管理的な業務をしているにもかかわらず、明確に役職名がついていない場合も想定されます。その場合でも特定技能2号の移行は可能ですが、実務経験を証明する書類の提出を行い、それに基づいて判断がなされます。
特定技能1号・2号、どちらを採用すべき?
特定技能1号と2号の違いを確認したところで、実際に受入れ企業は特定技能を採用する際に、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
特定技能の選び方には、以下のポイントがあります。
- 受け入れる予定の外国人は、現在どの技能水準にあるのか。
- 雇用する外国人に将来どのようになってほしいのか。
- 外国人本人はどのような働き方を望んでいるのか。
たとえば、受入れる外国人に特定技能外国人として長く働いてほしいのであれば、在留期間の上限のない特定技能2号を選ぶと良いでしょう。特定技能2号は、1号に比べて高度な業務もこなすことができます。また、支援の対象外であるため、1号よりも業務上・コスト上の受け入れに関する負担は減るでしょう。
ただし、受け入れたい外国人の技能水準が2号の条件を満たしていなければ、まずは特定技能1号として受け入れ、経験を積んだのちに2号へステップアップしていく流れとなります。そう考えると、まずは条件をクリアしやすい特定技能1号の方が受け入れやすいといえます。
将来的に特定技能2号の受入れを考える場合は、1号のうちから高い技術に達するようにサポートしていきましょう。特定技能1号のうちから、受け入れ企業が自社支援を行いサポートすることをおすすめします。
特定技能1号と2号でかかる管理費はどのくらい違う?
特定技能1号と2号の違いとして気になるポイントとして、管理費があります。近年、自社支援に切り替える受け入れ企業が増加傾向にありますが、多くの受け入れ企業では特定技能1号の管理委託を管理団体に委託しているというケースがほとんどです。
特定技能1号と2号では、管理にかかるコストが大きく違ってきます。特定技能1号の支援を管理団体に委託した場合の平均コストは1名あたり2.8万円と言われており、例えば10名受け入れている場合については毎月28万がかかっているという計算になります。
しかし、特定技能2号についてはこの支援が義務とされていないため、管理団体に委託する必要がありません。そのため、実質支援委託にかかるコストは0ということになります。
特定技能1号と2号を比較すると管理コスト自体も大きな違いがあり、受け入れ企業としては特定技能2号が増加すればするほど負担は少なくなるという計算になります。
特定技能1号の受け入れが増加するにしたがって、膨らんだ管理費が経営や福利厚生の向上に支障があるという問題も発生しており、管理費を下げるために自社支援に切り替える受け入れ企業も少なくはありません。
特定技能を選ぶ際の注意点
お伝えしたように、特定技能2号は1号に比べて高い技術と数年の実務経験が必要な資格です。
特定技能を選ぶ際には、1号と2号のどちらの条件にあてはまるのか、外国人の技能水準を確認しましょう。特定技能2号を受け入れたいと考えている場合に、条件を満たす外国人の受入れは簡単ではありません。
なぜなら、特定技能制度は2019年から始まったばかりの制度だからです。2024年で制度開始から5年目となり、特定技能2号の受入れはまだ始まったばかりです。
出入国在留管理庁の発表によると、令和5年12月末時点での特定技能1号外国人の人数は208,425人、特定技能2号外国人の人数は37人と公表されています。
出入国在留管理庁|特定技能在留外国人数の公表等のデータより引用
特定技能1号に比べて2号は圧倒的に少なく、まだ条件を満たす外国人は少ないことが分かります。
今後は特定技能2号の取得も増えていくことが考えられるため、今から受け入れ体制を整えていく必要があります。まずは外国人の技能を確認したうえで、見通しを持った受入計画を考えていきましょう。
特定技能外国人の在留数については、下記の記事でも紹介しています。
特定技能1号と特定技能2号に関するセミナー情報
特定技能に関する無料セミナーは下記の通り、オンデマンドで視聴が可能です。お好きなタイミングで視聴ができますのでぜひご利用ください。
特定技能1号と2号の条件を確認して受け入れましょう
以上、特定技能1号と2号の違いを解説しました。
技能水準が高く、長く在留できる特定技能2号は、受入れ企業と外国人のどちらにもメリットがあるのではないでしょうか。しかし、特定技能2号の条件を満たす外国人はまだ少数です。
今後も増えていくことが予想される人材ですので、受入れ企業は1号と2号の違いを理解し、企業にとってスムーズに受け入れができるように体制を整えておきましょう。
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※本記事は現時点(2024年6月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。