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特定技能の内製化は自分たちでできる?その方法や条件を解説

公開日: 最終更新日: PV:1439

目次

こんにちは!SMILEVISAです。今回の記事は特定技能の内製化についての記事です。

”内製化”は特定技能の業界で注目されているキーワードで、労使双方に得られるメリットが大きいことから注目が集まってきます。本記事では得られるメリットや成功例、適正に実現するためのポイントなどを解説していきます。

特定技能の内製化とは

まずそもそも内製化とは何なのでしょうか。特定技能の内製化とは、「登録支援機関などへの委託を利用せず、受入企業が自分たちだけで特定技能外国人を受け入れ、支援すること」を指します。

また内製化を表す別の言葉に自社支援というものもあります。こちらは「外国人への支援業務を、外部機関に頼らずに自社で行うこと」を指し、内製化と同義になります。

今後、特定技能を内製化する企業は増加予想

今後、特定技能を内製化する企業が増えていくと予想されています。主な理由としては以下の通りです。

特定技能を内製化するメリットが大きいから

特定技能外国人の数は、制度が設立されて以来ずっと増加傾向にあります。それに伴って一つあたりの企業が受け入れていく外国人の数も増加していくと考えられています。受け入れた大勢の外国人の管理を外部機関に委託すると、膨大な委託コストや外部とのコミュニケーションコストが発生してしまうため、徐々に自社で管理するようになっていくと考えられます。

内製化を支援するツールが充実してきているから

次に、現在では特定技能を自社だけで受け入れるためのシステムも発展してきています。システムを利用することで管理や書類作成の手間が大幅に少なくなり、委託をする必要もなくなってきています。

特定技能の内製化で得られるメリット

特定技能の内製化で得られるメリットが大きいと述べましたが、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で内製化のメリットを大きく3つご紹介します。

委託管理費の大幅な削減ができる

まず委託管理費の大幅な削減を行うことができます。おおよそですが、支援委託にかかる費用は外国人一人当たり3万円程度とすると、自社で支援をする場合はこの委託費を支払う必要はなくなります。

より多く、条件の良い外国人採用が可能になる

コストカットをすることにより浮いた財源でより多くの人材を採用したり、福利厚生を充実させたりしてさらに優秀な人材にきてもらう事ができるというメリットもあります。

雇用した外国人の定着率の向上

内製化により浮いた財源で福利厚生や条件など社内制度を整えることで、すでに雇用している特定技能外国人の定着率をアップさせることも可能になってきます。

こちらの記事「特定技能を自社支援にしたら、管理費はどのくらい削減できる?実例をもとに解説!」でも、特定技能を内製化し、支援業務を自分たちで行なった場合に削減できるコストについて詳しく解説されています。ぜひご覧ください。

特定技能を内製化する条件とは?

では、特定技能を内製化するにはどのような条件があるのでしょうか?以下で一つづつ詳しく解説していきます。

受け入れ支援体制についての要件を満たすこと

具体的には、以下の①〜③のいずれか一つで要件を満たすことが必要です

①過去2年間で中長期在留者の受け入れをした実績があること

まず過去2年で中長期在留者の受け入れをした実績があるか、簡単に言えば、これまで中長期滞在の外国人を適切に雇用したことがあるかどうかをチェックしています。

ここでいう中長期滞在とは、就労系のビザをもつ人に限ります。つまりは介護、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務などの就労系の在留資格をさしています。ちなみに身分系の永住、定住、日本人配偶者等、留学生は対象外ですのでご注意ください。

②外国人に対して2年以内に生活相談を行った経験がある担当者がいること

外国人に対して2年以内に生活相談を行った経験がある担当者がいる場合は、会社内に中長期在留者の受け入れをした実績がなくとも、内製化を行うことが可能です。

③ ①、②の条件と同程度に支援業務を適正に実施することができる人がいると入管から認められること

紹介した条件と同程度に支援業務を適正に実施することができる人がいると入管から認められた場合は内製化できる可能性があります。こちらは会社の規模や従業員体制によって総合的に判断されます。つまり①・②の条件を満たしていない場合でも入管に審査をお願いすることはできるということになります。

外国人が十分に理解可能な言語で支援できる体制があること

こちらは外国人に対して必要であれば通訳翻訳体制を用意することができることを指します。通訳翻訳体制に関しては、外国人が日本語を十分理解できていれば必要ありませんが、そうでない場合は面談時に通訳サービスを利用する必要があります。

ちなみに通訳者は常駐している必要はなく、必要に応じてスポットで用意できれば要件は満たしたことになります。

支援の実施状況を文書で作成・保管できること

支援の実施状況は出入国在留管理官署によりチェックされます。必要に応じて過去の書類を参照する場合もあるため、支援の実施状況に関する文書の作成と保管をしておくことが求められます。

特定技能外国人の支援担当者、支援責任者を設置すること

内製化をする際に特定技能外国人の業務を担当できるスタッフがいることが条件となっていますが、これは新たに支援担当者を採用してもいいですし、現在社内にいる人事や総務、事務員などが兼任することも可能です。

基本的に忙しい時期は年に何回かありますが、つきっきりで世話をしないといけないわけではないので兼任されてる企業様も多くあります。

外国人を支援する担当者が中立であること

外国人を支援する担当者が中立とは、直属の上司などその外国人の評価をする人が支援担当者になることはNGということです。例えば人事部や総務、事務スタッフなどであれば直接的な評価に関わらない別部署になるため、支援担当者にしてもOKということになります。

定期的な面談が実施できること

支援担当者、外国人の監督者(上司等)のそれぞれは、3ヶ月に1回以上、外国人と面談をします。こちらは外国人の労働条件や生活状況を聞き出し、適切な環境が提供されていることを確認するために行われます。

特定技能を内製化した場合に発生する業務

特定技能の業務を内製化した場合は、外国人を支援する業務を自分たちで行うことになります。具体的な支援業務の内容は以下の通りです。

事前ガイダンス、入管への申請業務(採用・申請時)

まず初めにですが、事前ガイダンス、入管への申請業務があります。これは採用時と在留資格の申請時に発生するものなのですが、事前ガイダンスは主に仕事内容や待遇などについての説明を在留資格申請前に必ず行います。

また、入管への申請業務ですが、この申請書がなかなか煩雑で、慣れていないと苦労する部分にもなってきます。

入社手続き、住民登録等、生活オリエンテーション(入社時)

続いて、外国人が無事入社したあとは入社手続き、海外から初めてくる外国人に対しては住民登録、そしてガスや水道などの公共サービス登録もサポートが必要です。

生活オリエンテーションについては入社時に日本での生活やマナー、困ったときの相談先などの必要事項を説明しなくてはいけません。ちなみにこれは8時間行うことと、入管で定められていますがすでに日本での生活が長い外国人の方であれば少し短縮されることもあります。

相談苦情対応、3か月に1回の定期面談(受け入れ中)

続いて、特定技能外国人から相談苦情などがあった場合は対応が必要になります。また、3か月に一回は必ず定期面談として決められた内容に沿って外国人と面談する必要があります。

この相談苦情や定期面談は非常に大事で、例えば給与明細についての不明点や鍵の紛失、不平不満などを常日頃から聞くことによって外国人の早期離職を防ぐことができます。

日本語学習支援、生活インフラ契約、不動産契約等(生活支援)

加えて、外国人への支援として、日本語学習の機会提供、生活インフラや不動産契約などの支援も必要です。これは携帯の契約や銀行口座の開設、住む場所の確保などをする義務があります。

四半期ごとの定期報告、随時報告、年に1回のビザ更新(報告・更新)

最後に、四半期ごとに定期・随時報告です。こちらは3か月に一回、入管に必ず特定技能外国人の受け入れ状況について所定のフォーマットに沿って報告する必要があります。

またこのほかにも、外国人が退職した際や、雇用条件や働いている事業所が変更になった際などに発生する随時報告もあります。基本的には何か変更があった場合に入管に報告すると覚えておきましょう。

ここに注意!特定技能を内製化するリスク

内製化の成功例については記述しましたが、「今すぐ誰でも内製化すべき!」というわけではなく、もちろんリスクも伴います。もっとも大きなリスクとしては人材の不足、管理業務の知識不足、申請・書類作成のノウハウ不足の3つです。それぞれのリスクと対応策について解説していきます。

人材の不足

特定技能の管理には既述したように新たな業務が発生します。そのため、企業内に特定技能の支援業務をできるだけの余裕がないスタッフを選任してしまうと、業務が回らなくなってしまいます。

管理業務の知識不足

委託管理していた業務を自分たちでするとなった場合、登録支援機関が行なってきた管理業務を自分たちですることになります。そういった知識がないまま内製化してしまい、必要な書類がわからない、報告するタイミングが間違っていた、どのように面談をしたらいいかわからない、など様々な問題が出てくる恐れがあります。

申請・書類作成のノウハウ不足

最後のリスクとしては、申請・書類作成のノウハウ不足が挙げられます。特定技能外国人の申請書類は対処できないほど難しいというほどではありませんが、とにかく種類が多く煩雑です。そのため、初めてする際にはかなり戸惑ってしまう場合が多いですね。書類の記入にミスや漏れなどが起こり、そのたびに訂正したり、期日に間に合わなかったりで失敗するケースもあります。

内製化リスクへの対応策

以上のリスクを踏まえて、安全に内製化を進めるために大きく4つの対応策をご紹介します。

行うべき業務についての理解を深める

まずは特定技能を内製化する際にはどのような業務を行う必要があるのか、まずは全体像を把握しましょう。SMILEVISAでも特定技能に関わる手続きについてブログで解説しているため、よろしければご参照ください。

※SMILEVISAでは内製化を表す別の言葉に”自社支援”というのも使っています。こちらは「外国人への支援業務を、外部機関に頼らずに自社で行うこと」を指し、内製化と同義になります。

社内での受け入れ体制を整える

社内の受け入れ態勢を作ること。これが非常に大事で、必ず特定技能外国人の支援担当者として十分な時間や労力を確保できる人材を準備しましょう。

段階的に内製化を進めること

次に、段階的に内製化を進めることも重要です。着実に切り替えられるよう、準備をしっかり整えましょう。

登録支援機関を利用しているときからノウハウを学んでおく

ブログや入管資料を参考にして全体像を把握しても、やはり実際に業務を進める上では予想外のことが起こる可能性があります。そのため登録支援機関を利用して特定技能外国人を受け入れる場合でも、業務を丸投げにするのではなく、ノウハウを学ぶようにしましょう。

加えて受入人数が少ない早い時期に学んでおくことで、大人数を受け入れた場合でもスムーズに受け入れができるようになります。

業務の効率化を図ること

最後に、特定技能外国人を受け入れる際に可能な限り業務を効率化させることが大事です。特に書類業務などは手間がかかり管理も大変なので、そんな時に頼れるツールや提携先を確保しておくとよいでしょう。

特定技能を内製化する際の手続き

「実際に特定技能を内製化で受け入れたい!」とお考えの方に向けての記事をご紹介します。

特定技能をこれから受け入れる方で、内製化の方法を採用する場合はこちらの記事「特定技能を自社支援で受け入れる完全マニュアル」がに沿って手続きを進めてください。

特定技能を既に受け入れている方で、これから内製化に切り替えたいという方はこちらの記事「特定技能を自社支援に切り替えるにはどうしたら良い?手続きについて解説!」に沿って手続きを進めてください。

なお、SMILEVISAのブログでは自社支援という言葉が頻繁に使われていますが、こちらは「外国人への支援業務を、外部機関に頼らずに自社で行うこと」を指し、内製化と同義になります。

結局、内製化すべきなの?

以上、特定技能の内製化について解説いたしました。結局のところ内製化すべきか否か、またどのような段階を踏んで内製化すべきかは企業によって異なります。

SMILEVISAでは個別企業様にヒアリングさせていただき、事例をもとにアドバイスをさせていただいています。もし「ブログを読んだけど具体的なステップが分からない!」という方はぜひこちらからお問い合わせください。

※本記事は現時点(2022年11月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します

特定技能を内製化した成功例

ここまでメリットについてご説明しましたが、実際に内製化を実現した企業の事例を紹介したいと思います。こちらSMILEVISAのサポートを受けている外食業界の企業A社様を紹介いたします。

こちらの企業では特定技能「外食」の試験をパスしていた韓国からの外国人留学生を新卒採用したいとお考えでした。ただ、その場合に登録支援機関に管理委託すると月々のコストがかかること、そして今後も特定技能外国人を増やしていくことを見据えて内製化を図ることを決めました。

その後、SMILEVISAのサポートを利用しつつノウハウを学び、特定技能外国人の管理システムを使いながら支援担当者の方がご自身で書類の作成を行い、スムーズに内製化への移行をされています。

当初、管理委託する場合のコストは特定技能1名あたり年間30万円を見込んでいましたが、内製化したことで現在はシステム管理料の6万円のみで特定技能外国人の受入れされています。次年度の採用において、初年度の受け入れノウハウ・経験をいかして、特定技能の新卒採用を倍増される予定とうかがっています。

こちらの事例で大きな決め手となったのはやはりコスト。特定技能1人だけであれば大きな負担ではないのですが、今後何人も受け入れていくことを見据えると特定技能一人あたりのコストが大きく膨らんできてしまうため、内製化したほうが良いと判断されました。

他にも、内製化に関する事例はこちらでご紹介しています。ぜひご参考にしてください。

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